イオンベトナムが進める「GMS改革」とは 有名SPA手掛けた企業とタッグも!
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)の「アジアシフト」が進むなか、中間層が年々増え続け、今後さらなる成長が期待されるのがイオンベトナムだ。モール型ショッピングセンターの核テナントとしてだけでなく、食品スーパー(SM)の出店も2021年より開始、快進撃を進めている。イオンベトナムの古澤康之社長に、現在の状況と今後の戦略について尋ねた。
※1ベトナムドン=約0.006円
経済急成長中のベトナムで、SM・GMS41店舗展開
イオングループのベトナム1号店となるショッピングセンター(SC)「イオンモール タンフーセラドン」がオープンしたのは2014年1月。その核店舗として総合スーパー(GMS)「イオン タンフーセラドン」を開業して以来、イオンベトナムは順調に業容を拡大させている。
現在では、SCの核店舗としてGMSを6店舗、売場面積1000㎡以上のベトナムでは大型店となる食品スーパー(SM)を2店舗、300㎡クラスの小型のSMを16店舗、計24店舗(専門店を除く)を展開する。さらには、イオンと提携し実質的に商品政策(MD)や運営をイオンベトナムが担う現地SM企業・シティマートの小型SM17店舗を合わせると、イオングループとしてはSM・GMSを41店舗(23年8月末時点)展開することになる。
イオンベトナムが店舗展開するのは、ともに人口800万~900万人規模の2大メガシティであるホーチミン市とハノイ市およびその周辺。公設市場や個人店など伝統的小売がいまだ4分の3を占めるベトナムだが、都市化が進んだこれらメガシティでは給与所得者もその所得も増加している。SMやコンビニエンスストア(CVS)、百貨店などで購買する近代的小売(Mordern Trade)が一般的となり、かつ飛躍的に伸びている。
この成長に合わせ、イオンベトナムのみならず外資内資の小売企業がSCや大型店などの出店を加速しているのが現在のベトナム市場である。国内人口は23年に1億人を突破、10年前の13年は9075万人だったので、年間約1%程度人口が増えていることになる。しかも15~64歳の人口構成比が68.9%(経済産業省レポートより)と生産年齢人口が多く、経済成長の恩恵を直接預かれる労働者層が多いのが特徴だ。
イオンベトナムとしては、2大都市を中心として周辺エリアに出店を進めて業容を拡大しながら、競争激化を見込み、競争優位性と高い利益性を実現するフォーマット、商品政策(MD)の革新を進めていく戦略だ。
直近の業績は、
DCS Report の新着記事
-
2024/07/16
ロピア、初のFC、初の沖縄店舗を徹底調査!本土と同じ点、違う点とは -
2024/07/04
ミニストップ、進化した独自モデルの実力と戦略とは -
2024/07/02
老舗うなぎ店もスーパーも採用「特殊冷凍」がビジネス変える! -
2024/06/18
イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」のねらいとは -
2024/06/18
ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい -
2024/06/17
食品スーパーも学ぶべき!杏林堂最新店の地産地消食MDとは
この連載の一覧はこちら [225記事]
イオン・グループの記事ランキング
- 2024-07-10イオンVSセブン&アイ 株主優待が示す2社の「大きな差」とは
- 2024-06-25インフレ、経済正常化で明暗!小売業の上場小売業2023年度決算と24年度展望
- 2024-07-11「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
- 2023-08-04どうなる「ツルハ」と「クスリのアオキ」 イオンの出資先で問われるガバナンスと再編の予兆
- 2024-05-02イズミが西友の九州事業を買収、激動の九州小売マーケットを制するのは?
- 2019-06-03落日のGMS その2 巨艦イオンの針路
- 2023-04-26スーパーマーケットの次世代顧客は「ヤングファミリー」か、「MZ世代」か
- 2024-03-02データ活用でイオン全体の利益を最大化させる!
- 2024-03-20イオンの“農耕民族的”M&Aによるドラッグストア経営統合劇、この先に待ち受けるのは?
- 2024-05-14イオン、セブン&アイの24年2月期決算分析 今後の成長戦略とは
関連記事ランキング
- 2024-07-10イオンVSセブン&アイ 株主優待が示す2社の「大きな差」とは
- 2024-06-18ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい
- 2024-06-17ヤオコー、バローHD、サミット 24年3月期決算分析と今期の戦略
- 2024-06-25インフレ、経済正常化で明暗!小売業の上場小売業2023年度決算と24年度展望
- 2024-06-29人気アナリストが解説、主要小売7業態決算総括と24 年度の展望
- 2024-07-11「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
- 2024-06-04明暗!ライフ、U.S.M.H、アークス、2024年2月期決算分析!
- 2023-08-04どうなる「ツルハ」と「クスリのアオキ」 イオンの出資先で問われるガバナンスと再編の予兆
- 2024-05-02イズミが西友の九州事業を買収、激動の九州小売マーケットを制するのは?
- 2019-06-03落日のGMS その2 巨艦イオンの針路
関連キーワードの記事を探す
インフレ、経済正常化で明暗!小売業の上場小売業2023年度決算と24年度展望
「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
イオンVSセブン&アイ 株主優待が示す2社の「大きな差」とは