着物業界はピークの6分の1に縮小 デジタルを使った最大手やまとの切り札とは
若年層の着用機会を、どう増やすか
現在、同社が強化中なのがECサイトやSNSでの情報発信。まずは、若年層との接点を増やすことが目的だ。
同社の公式ホームページやLINEでは、随時チャット相談を受け付けており、些細なことでも相談できる。対応するのは専門のコンシェルジュだ。また週に一度、1時間ほどのインスタライブを行い、店舗スタッフによるコーディネートも披露。同社は「きものやまと」「KIMONO by NADESHIKO」など 5つの着物ブランドを展開しており、インスタグラムのフォロワーは合計7万人ほどいる。うち、30-50人がインスタライブをリアルタイムで視聴し、随時コメントが届くという。
SNSからECサイトに客が流れるケースも増えてきているため、ECサイトをカタログとして内容を充実させ、素材や価格をわかりやすく記載する工夫をしている。
「高額商品をネットで購入する中国のような土壌が、日本にはまだない。ECサイトと店舗は、その役割が異なるという割り切りも今はまだ大切だと考えています。直接売り上げにつながらなくても、SNSが入り口となって着物に興味を持ってもらえれば」(同)。