LSPの考え方を導入しカイゼン進める、サミット流プロセスセンター運営の極意とは?
住友商事(東京都)傘下のサミット(東京都/服部哲也社長)は、生鮮食品のインストア加工において業界でも高い評価を得ている食品スーパー(SM)企業だ。そんな同社が2019年1月、主に精肉を加工する「川崎塩浜プロセスセンター」(神奈川県川崎市)を稼働し話題を集めた。取材すると、生鮮の店内加工の質にこだわる同社ならではの、プロセスセンター(PC)の開発・運用を行っていることがわかった。
パック肉製造の時間を即食商品に当てる
川崎塩浜プロセスセンターはJR東海道本線「川崎」駅から東へ約4kmに立地する。同じ住友商事グループの住商フーズ(東京都)が賃借した、地上3階建ての建物の3階および1階の一部にサミットが入居するかたちでセンター機能を設けている。

サミットの生鮮部門は、売場の販売状況に応じて店内加工し、鮮度の高い商品を供給する「ジャスト・イン・タイム方式」を基本としてきた。しかし、深刻な人手不足や採用難に加え、最近は顧客ニーズの変化への対応として、店頭で扱う素材を調理する肉総菜コーナー「グリルキッチン」の設置など、店内加工による即食商品を積極的に提供しており、これを強化するためにも、店内作業の軽減が必要になっていた。
そうしたなか近年、精肉部門は、PCの加工機械や装置などの技術革新が進み、店内加工と同等の品質の商品を安定的に製造できるようになってきたことから、従来の商品供給モデルを転換。PCに加工作業を集約する領域と、店内加工による領域とを明確に分け、前者の製造拠点として川崎塩浜プロセスセンターを開設した。
サミットがPCを導入したねらいは店舗作業の省力化だけではない。
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