塚田農場を自宅で味わう「家飲み便」 コロナ禍で売上激減の危機を救ったサービスの全貌
宅配弁当のプロだからこそ実現できた再現性
家飲み便の最大の特徴は、その「再現度の高さ」だ。塚田農場で人気のメニューを一人前ずつのセットにし、自宅で必要に応じて温め、盛り付けるだけで味や雰囲気が再現できる。もちろんこれは、ただ塚田農場の料理をパックにして届けるだけでは不可能だ。ここで生きたのが、もともとの弁当製造のノウハウだ。
たとえば、塚田農場の看板メニューともいえる「若鶏のチキン南蛮」は、店舗では揚げたてを甘酢に通してタルタルソースをかける。しかし、基本的に翌日以降に食べることが前提の「家飲み便」では、同じ作り方をしては衣がふやけてしまう。工夫として、まず衣自体を時間が経ってもふやけにくいものに変更し、甘酢に粘度をつけて絡むようにしたことで、衣の“ダレ”や“剥がれ”を防止した。
また、もう一つの看板メニュー「地鶏の炭火焼」、実は「家飲み便」の「炭火焼」では地鶏を使っていない。「地鶏の炭火焼は、調理人の技術による絶妙な火の入れ加減で出来立てを食べてこそ食材が生きる料理。しっかり火を通さなくてはならない弁当や配達には不向きで、再加熱でさらに硬くなってしまう」(森尾社長)ためで、「家飲み便」の「炭火焼」では地鶏の代わりに生産者を限定した銘柄鶏を使用することで再現性を高めている。
<訂正> 2021.8.24
本記事2ページ目下部の一部表記に、誤解を招く可能性のある不備がございましたので訂正いたします。
■「若鶏のチキン南蛮」について
該当のサービス内のチキン南蛮に使用しているのはタイ産のブロイラーです。商品の正式名称である「若鶏のチキン南蛮」において「若鶏」の表記が抜けておりましたので修正いたしました。
■「塚田農場といえば地鶏というイメージが強い」という表記について
塚田農場では一部商品に若鶏を使用していますが、全体に地鶏を使っていると感じさせるような記述になっておりました。
これを受け、現在の文章に変更しております。
■「生産者を限定した銘柄鶏を使用」について
生産者指定の銘柄鶏は「若鶏のチキン南蛮」には使用しておりません。
先の表記ではすべてに銘柄鶏を使用しているかのように読めるため、炭火焼で使用している旨を追記いたしました。