セブン&アイ、25年度EBITDA1兆円超で物言う株主も納得か?【新中期経営計画】

太田 美和子
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CVS店舗数は北米・日本除いて世界5万店体制に

 その柱となる重点戦略には、①海外CVS事業戦略、②国内CVS事業戦略、③グループ食品戦略、④大型商業拠点戦略の4つがある。

セブン&アイが公表した中期経営計画では、4つの重点戦略を設定している(資料出典:セブン&アイIR資料)

 そのうち、グループの主要な成長エンジンとみなすのが①海外CVS事業である。

 傘下で米国CVS最大手のセブン‐イレブン・インク(7-Eleven,Inc.:以下、SEI)は同業界第3位のスピードウェイ(Speedway)取得によって1万3000店舗を超えた店舗数を、26年2月期までに1万5000店舗超にすることをめざす。そして、その店舗ネットワークを活用し、フレッシュフード強化、DX活用およびネットコンビニ「セブン・ナウ(7 NOW)」によるデリバリー拡充に取り組む計画だ。

 海外CVS事業には、これまで国内CVS事業に属していたセブン-イレブン・中国とセブン-イレブン・ハワイが移管された。この2地域を含めた既存国の連携を強化すると共に、戦略的ジョイントベンチャーやM&A(合併・買収)などにより新たな市場を開拓する。現在3万9000店舗(日本・北米除く)の店舗数を26年2月期には5万店舗とする目標を示した。

 ②国内CVS事業戦略として、商品構成やレイアウトの見直しなどによって多様化するニーズに対応し、既存店の持続的成長をめざす。また、ネットコンビニの拡大を計画。21年2月末時点で約120店舗に導入しているネットコンビニを22年2月期中に1000店舗での実証実験を開始する。そして、26年2月期までに全国展開を果たしたい考えだ。一方、この5年間は出店再加速への基盤構築の時期とし、国内の新規出店目標は示さなかった。

 グループ売上高の6割以上を占める食品に関する、③グループ食品戦略については、食品を扱うグループ企業共同で商品調達し、セントラルキッチン、プロセスセンターといったインフラを共通する体制の実現をめざす。現在、それに向けて段階的な体制づくりを進めているところだ。

 ④大型商業拠点戦略の大型商業拠点とは、具体的にはイトーヨーカ堂、そごう・西武を指す。イトーヨーカ堂では不採算店舗の閉店、そごう・西武では業務や要員の見直しなどの改革を行う一方で、商圏特性に合わせた館づくりを模索する。イトーヨーカ堂の三枝富博代表取締役社長は「既存の館をニーズある館に変えることに注力したい」と決意を示した。さらに、ネットスーパー、移動販売の「とくし丸」、外商など非店舗事業を拡大することにしている。

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