オイシックスドット大地 代表取締役会長 藤田 和芳
有機農産物を1兆円市場へ最大手として成長を牽引する!
契約農家の育成に注力、年商1000億円をめざす
──アマゾンジャパンが「Amazonフレッシュ」を開始するなど食品ECの競争環境が厳しくなっています。どのように戦いますか。
藤田 たしかに業界での競争は激しくなってきているとは思いますが、有機野菜という市場で見ると、まだまだ拡大の余地が大きいと考えています。
日本は海外と比較して、食材の品質に対して消費者の関心は高いのですが、それとは裏腹に有機野菜の市場規模は極めて小さいのが実情です。たとえば、アメリカのオーガニック市場は4.8兆円、EUは4.0兆円、ドイツやフランスなどがそれぞれ1兆円程度と言われています。これに対して、日本のオーガニック市場は農林水産省によるとわずか1300億円です。人口規模から考えても、日本のオーガニック市場は少なくとも1兆円あってもおかしくありません。ですから、市場規模がまだ小さいぶん伸び代が大きいと言えるでしょう。大手小売業もオーガニック市場に参入してきています。今は市場をもっと大きくすることが重要だと思っています。
──オイシックスドット大地の中長期の年商目標はありますか。
藤田 大地を守る会の契約農家の周辺には一般の農家があります。慣行栽培を行っているそうした農家は価格競争の影響を受けますから、経営が不安定で後継者も育ちにくい状況になってきています。しかし大地を守る会は、有機・無農薬食材の会員制宅配事業の草分けとして42年もの間、事業を続けてきており、「農業で食べていける」と確信した後継者が育ってきています。今後はわれわれが契約農家からの仕入れ数量をさらに増やし、多くの農家が誇りを持って農業を続けていくことができるようにしていきたいと思っています。じつは、技術力のある農家の争奪戦がすでに始まっています。運転資金を融資しながら農家を囲い込んでいる例もあるほどです。
われわれはできるだけ早い段階で年商1000億円を達成したいと思っています。オーガニック市場を1兆円規模にするため、業界ナンバーワンの企業として成長を牽引していきたいと考えています。