ビオセボン・ジャポン 社長 土谷美津子
「ふだん使い」確立し、オーガニック食品市場を拡大させる
──どのように顧客の支持を獲得していったのですか。
土谷 開店前から仏ビオセボン社からは「青果が支持されなければ固定客がつかない」と言われていました。そこで、青果の売上を伸ばすため試行錯誤を重ねました。
まず取り組んだのは、取扱品目数の拡大です。開店時は約200品目ほどでしたが、現在は2倍以上に拡大しています。
次に、売上動向に応じて品揃えも変えました。当初は一般のSMの品揃えを提供していましたが、現在はそれにこだわらず、一般のSMで見かけないような野菜も揃えています。よく売れるのは、サラダ野菜です。品揃えの拡充や鮮度管理の向上などにより、お客さまに支持していただけるようになりました。たとえば、西洋野菜のルッコラやカステルフランコなど、彩り豊かな野菜を詰め合わせた「柴海農園サラダ野菜セット」は人気商品の1つです。生のまま食べる野菜や、イチゴやレモンなどの皮ごと食べる果物は、オーガニックにこだわるお客さまが多いようです。
──店頭での販促で工夫していることはありますか。
土谷 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での情報発信や、接客、店舗でのワークショップの開催に力を注いでいます。
SNSでの情報発信については、商品情報を提供することはもちろん、店内での写真撮影ができるようにし、お客さまに当店の情報を発信してもらえるようにしています。
接客については、商品の特徴だけでなく、生産過程でのこだわりや商品のストーリーも伝えられるようにしています。そのため、従業員が生産者のもとで商品について学ぶことも始めました。また、商品のおいしさを知ってもらうことが購入に結びつくと考え、店内ではつねに試食を提供しています。
店舗でのワークショップは、店内中央にあるイートインスペースを活用して月に1~2回開催しています。内容は、店舗で扱う商品にスポットを当てて、家庭ですぐに実践できる活用方法や、料理レシピなどを紹介します。参加者の募集を開始して早々に定員に達してしまうことも少なくありません。