フードデリバリーの枠を超える!ウーバーイーツがスーパー、コンビニの配送をする理由を事業責任者に聞く
ネットスーパーとの差別化
一方、コロナ禍で高まるEC需要を受け、この一年でSM各社の間では、自社ネットスーパーの導入が一気に拡大した。そんな中で、ウーバーイーツのグロサリー配送が持つ優位性は何だろうか。これについて、ブロヴキナ氏は「ネットスーパーなどとは利用シーンが異なると考えている」と語る。
つまりはこういうことだ。SM各社が提供するネットスーパーは、あらかじめ献立などの計画を立て、まとめて注文しまとめて届けてもらうといった使い方が主流だ。その分、商品が届くのは当日夕方や翌日など、ある程度の時間がかかる傾向にある。
一方、ウーバーイーツのグロサリー配送が真価を発揮するのは、「あると思っていた食材を実は切らしていたことに夕食作りの直前で気がついた」「もう料理を始めているのに、買い忘れに気がついた」など、今この瞬間必要なものがある、という場面だ。こういう時こそ、「ウーバーイーツの持つ強靭な配送ネットワークが最も生かされる」(ブロヴキナ氏)。これまで培ってきた、約30分以内の配送を可能にする配送マッチングシステムや、10万人の配達パートナーを駆使することで、ネットスーパーでは満たしにくい需要を満たす、他にないサービスとしての立ち位置を獲得することが可能になる。もちろん、まとめて注文する通常のネットスーパーのような使い方も可能で、さらに“すぐ届く”という付加価値を提供することもできる。スピード感を武器にしたネットスーパーとの差別化で、グロサリー配送の利用率は確実に増加傾向にあるという。