2020~21年流通再編を総まとめ 主役はマツキヨ、ニトリ、アークランド、ファミマ、西友…
ファミマはデジタル関連の提携を強化
セブン&アイ・ホールディングス(東京都)は、20年6月にヨークマートから商号変更した新会社ヨーク(同)を中心に首都圏SMの再編を実施。イトーヨーカ堂(東京都)のSM「食品館」とDS「ザ・プライス」をヨークに移管したほか、「コンフォートマーケット」を展開していたフォーキャストはヨークに吸収合併された。今後はヨークを中心に、サプライチェーンの効率化などに取り組み収益性の向上を図る。
国内では苦戦を強いられているコンビニエンスストア事業では、北米市場でM&Aを進めることでシェア拡大を図る。20年8月には、米子会社の7-Elevenが石油精製会社マラソン・ペトロリアム(Marathon Petroleum)が運営するガソリンスタンド併設型CVS「スピードウェイ(Speedway)」を総額2兆円超で買収することを発表。これによりセブン&アイ・ホールディングスの米国CVS市場シェアは約8.5%まで拡大する見込みで、2位との差を2倍以上に広げて競争優位性を高める。
ファミリーマートは20年8月、TOB(株式公開買い付け)と株式併合によって実質的に伊藤忠商事の完全子会社となることを発表し、同年11月に上場廃止となった。また、伊藤忠商事とともに他社との提携にも積極的に取り組んでおり、9月には伊藤忠商事とファミリーマートの合弁会社が55%、NTTドコモ(東京都)が40%、サイバーエージェント(同)が5%出資する新会社データ・ワン(同)を立ち上げ、購買データを活用したデジタル広告事業を展開する。さらに21年2月には無人店舗システムの開発を手掛けるTOUCH TO GO(東京都)と資本業務提携を結んだ。3月には、全国農業協同組合、農林中央金庫がファミリーマートに資本を出資し、伊藤忠商事を含む4社で業務提携を締結。今後、相互送客や共同での商品開発などで協業する考えだ。
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