いつでもどこでも、「セイブ・マネー・リブ・ベター」を提供=西友ドットコム執行役員 久野克宜

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
構成:下田 健司
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配送センター便とネットスーパー便 どう使い分けてもらうか

──ウェブサイトの使い勝手は、どのように改善していますか。

久野 お客さまからの意見や要望をシステム改修に反映しています。また、お客さまへのアンケート調査、アクセスログ解析を通じて、お客さまがどこで、どのように買物をされているのかについて理解も深め、改善に生かしています。IT企業のディー・エヌ・エーは、仮説、実行、検証、改善のスピードが速い。わかったことはすぐにサイトに反映し、使い勝手をよくするようにしています。

──配送センター便とネットスーパー便の2つの配送方法についての反響はどうですか。

久野 最初の数ヵ月は、いろいろな学びがありました。お客さまにどのように表示すれば、2つの方法を便利と感じてもらえるか。お客さまの声を聞きながら、さまざまな改修を進めてきました。当初は、使い方で迷われることがあったのは事実です。ただ、昨年12月から、配送センター便の配送料無料となる購入金額を引き下げたほか、いくつかの変更をした結果、お客さまからの苦情や困惑の声は大きく減少しています。

 配送センター便については、販売単位も変更しました。たとえば、商品単価の高いトクホの飲料は、ケース単位にすると5000円~6000円にもなりますから購入しにくいところがあります。そこで、今年6月から、900円程度になるように6本単位で販売したところ、この6本単位の売上が伸びました。お客さまは配送料が無料になる購入金額を念頭において購入されることが多いため、商品単価が100円程度の商品は1個単位で買いにくいところがあります。その点からも、複数個で1000円近くになれば選びやすくなります。こうした販売単位についても、さらに工夫していきたいと考えています。

──ネットスーパー便で、配送料が無料になる購入価格を引き下げる考えはありますか。

久野 今のところ、引き下げることは考えていません。配送料が無料になる購入価格を考えるよりも、お客さまにとって本当に便利な受け取り方法が何なのかを深掘りしたいと思っています。ネットスーパーの配達時間枠は2時間単位ですが、その時間、自宅で待たなければいけないというストレスもあります。自宅配送ではない方法もこれから追求していかなくてはなりません。将来的には、米国のように注文した商品を店舗で受け取れるようにすることも必要になるでしょう。

──配送センター便が対象としているのは、ネットスーパーのサービスを提供していないエリアですか。

久野 ネットスーパーのサービスを全国で展開するまでには時間がかかります。その意味で、配送センター便は、ネットスーパーのサービスを提供していないエリアでも商品を販売できるメリットがあります。店舗のないエリアのお客さまには、西友の商品が手に入るようになったと感謝されていますし、店舗に行けないお客さまに配送センター便が受け入れられているという実感はあります。

 一方で、配送料が無料になる購入金額や配達時間などで、ネットスーパーと比べて配送センター便が使いやすいというお客さまもいます。そういうお客さまは、ネットスーパーのサービス提供エリアでも一定量は配送センター便だけ利用されています。ネットスーパー便と配送センター便をお客さまが選択しやすいように、サイトをわかりやすくすることが重要だと考えています。

 ネットスーパーのお客さまは、1週間か2週間に1回の頻度で利用されるようになると、それを基本の買物にして、あとは足りない商品などを店舗で買うという購買行動が増えていきます。ある程度まとめて購入してストックすればいいと思われるようになると、ネットスーパーは非常に便利です。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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