国分グループ本社の20年度決算は減収増益 第11次長計で掲げる「共創圏の確立」とは
「コト売り」事業を拡大・発展
共創圏の確立のために国分グループ本社が注力する事業の1つが「コト売り」事業だ。従来の卸としての「モノ売り」事業に加え、物流事業やシステム外販事業、マーケティング事業などの「コト売り」事業を拡大・発展させ、「モノ+コト」による事業の“二輪化”を実現する。第11次長期経営計画では、「コト売り」事業の経常利益比率30~50%をめざす。
物流事業においては、すでにいくつかの取り組みが発表されている。20年11月には、マレーシアで物流事業を展開する国分フードロジスティクスマレーシアが、4温度帯に対応した新たな物流センターを開設。国内では、21年7月に低温卸売事業を再編する。同事業を展開する国分フードクリエイト(東京都)の東北、関信越、近畿・中四国エリアの事業を、国分東北(宮城県)、国分関信越(栃木県)、国分西日本(大阪府)の各エリアカンパニーに統合し、「常温と低温の融合」をめざす。国分フードクリエイトは首都圏の低温卸売事業に注力することとなる。
また、「コト売り」事業としては、スタートアップ企業のmyProduct(東京都)と協業して地方創生の支援にも取り組んでいる。同社が運営する食の産業観光プラットフォーム「CRAFTRIP(クラフトリップ)」と、国分グループ本社が運営するクラウドファウンディングサイト「食と酒の未来勘所」で、宮城県の南三陸町の食品や体験プランを販売する実証実験を21年1~4月に行う。
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第11次長期経営計画の初年度となる21年12月期では、国分グループ本社が20年9月に独自に作成した「SDGs(持続可能な開発目標)ステートメント」の実現や、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などに注力する。
國分勘兵衛会長兼CEOは、「長計策定の時期がコロナ禍と重なったことは、計画を立てるうえでグループにとって大きなアドバンテージとなった。コロナ禍で変化する世の中に対応した計画を策定できた」と語った。コロナ禍を経て、国分グループ本社はこれまで以上に単なる卸売企業にとどまらない取り組みに注力していくこととなる。