トップの言葉で占う!ライフ ・ ヤオコー ・ サミット有力SM3社の2021年の展望
戦い方と来期の展望は三者三様
店づくりや売場づくり、商品政策の方向性については三者三様となった。
ライフは価格一辺倒の競争戦略を否定し、「これからは付加価値がより求められる時代になる」(岩崎社長)との考え。その一環として、有機・健康志向の商品を集めた業態「BIO-RAL(ビオラル)」の2号店を東京・吉祥寺にオープンしたほか、同名のプライベートブランドも展開し、既存店での販売を始めている。
一方、ヤオコーはコロナ禍での価格志向の高まりを受け、今期から着手しているEDLP(エブリデー・ロープライス)の取り組みを強化していく方針。EDLPを軸とした価格政策により、とくにヤングファミリー層の取り込みを急ぎたい考えだ。
サミットはコロナ禍での人々の「価値観の変化」に対応する姿勢を示した。新たな中期経営計画では「社会」を新たにステークホルダーに加え、事業を通じ高齢化や環境保護といった地域社会の課題解決に貢献する存在をめざすとしている。
来期予算については、ライフが最も慎重な姿勢を見せた。岩崎社長は「(コロナ禍での売上・利益増を)自分たちの実力と勘違いしたような経営計画は立てるべきではない」として、売上予算については今期を下回る水準になると明言。サミットも、「ある程度コロナが収束すると想定し、来期の予算を組み立てる」(服部社長)との方針で、保守的な予算編成となる見込みだ。
一方、ヤオコーの川野社長は「とくに21年上半期は(前年超えの)ハードルは高くなるだろう」としながらも、「新規出店計画が例年よりも多く、大型店改装も売上増に寄与する」との見通しを示した。
周辺環境の変化をいち早くとらえ、それに対応した手立てをどこよりも先に示した企業が勝ち残るという図式は、コロナ禍でも変わらない。業界全体に与える影響が大きいだけに、有力SM3社の動きから目が離せない状況が続きそうだ。
1月5日~7日の3日連続で各社トップのインタビューをお届けする。
1月5日:ライフ岩崎高治社長がコロナ禍の経営戦略と成長図を語る
1月6日:ヤオコー川野澄人社長 連続増収増益を33に伸ばすための、2021年の戦略
1月7日:サミット服部哲也社長が語る「新しいSMの創造」、その姿とは?