ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営14 賃料ビジネスからの脱却とマルチ収益化の手法
SC事業の経営資源とは何か

SC事業は、多くのお客様が来店し、多くのお金を消費する。そのお客さまの生涯価値(Life Time Value, LTV)のうち、SC事業者はどれほどビジネス領域としているのか。今はお客さまが財布を開いた結果の「テナント売上高×賃料率」だけではないのか。
もっと他には無いのか。コロナ禍で時短営業と自粛で売上が悪い今こそ、それを考える絶好のチャンスなのだ。
ここまで書くと2つのタイプの読者が出てくる。一人は「あなたの話は具体的じゃない」と言い、もう一人は「あなたの話からヒントをもらった」と言う。
この違いは何か。それはイマジネーション力だ。
日頃、課題感を持って悩み苦しんでいる人や目標やビジョンやなりたい姿を描いている人は即座に「あっ、そうか!」とイマジネーションが働く。
ところが日頃漫然と情報だけを集めている人は、イマジネーションは働かず、答えを欲しがる。面白いものである。
さて、次回は、イマジネーションが今ひとつ働かなかった方にもヒントとなるよう今回、少し触れた「SC事業とLTV」について書き進めたいと思う。
西山貴仁
株式会社SC&パートナーズ 代表取締役
東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。
前の記事
ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営13 脱賃料依存 テナントの企業成長からSCが収益を得る方法

ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営15 LTVに着目するとSCの次のビジネスチャンスがみえてくる
商業施設の価値を再定義する「西山貴仁のショッピングセンター経営」 の新着記事
-
2025/12/01
第128回 少子高齢化時代におけるショッピングセンターのターゲット設定 -
2025/11/18
第127回 ショッピングセンターが「フロア収支」を採用しない理由 -
2025/10/31
第126回 SC運営の成否を決める顧客の滞在時間 “装置産業”としての役割とは何か -
2025/10/17
第125回 「駅ビル」が抱えるリスクを百貨店の歴史から考える -
2025/10/03
第124回 相次ぐフードホールの開業 日本で成功するためのカギとは -
2025/09/19
第123回 「営業時間統一」という常識打破に向け、SCに求められる対応とは
この連載の一覧はこちら [128記事]
関連記事ランキング
- 2025-12-02HUMAN MADE上場から考えるファッション産業の構造的限界
- 2025-11-25ワコールを追い詰めた「三つの革命」
- 2025-11-18第127回 ショッピングセンターが「フロア収支」を採用しない理由
- 2025-11-27急拡大するリカバリーウエア市場を攻略する
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2025-03-12ユニクロ以外、日本のほとんどのアパレルが儲からなくなった理由_過去反響シリーズ
- 2025-11-13知られざる四国の激戦地・愛媛県西条市 トライアル進出で環境急変か
- 2025-10-21実例に見る「危ない商業施設」の見分け方
- 2025-11-13イズミ、ハローズ、ダイレックス……中四国最大都市・広島市の視察の仕方
- 2024-09-03アローズにビームス…セレクトショップの未来とめざすべき新ビジネスとは



