ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営13 脱賃料依存 テナントの企業成長からSCが収益を得る方法

西山貴仁(株式会社SC&パートナーズ 代表取締役)
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前回、ショッピングセンター(SC)のビジネスにおいていかにテナントリーシング業務が重要なものか、そして新型コロナウイルス(コロナ)の登場によりテナントリーシング受難の時代となり賃料ビジネスが崩壊に向かっていることを解説した。その上で、SCとテナントのリスク負担の課題をこのままにしていては現在の空室は今後も埋まらないことを予想する。では、どうすれば良いのか。今回は、ポストコロナの時代に合わせたテナントリーシングのあり方を提案する。

baona / iStock
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SCによる店舗内装負担はリスク

 前回のおさらいとして、コロナ禍における、SCとテナントのリスク負担の問題点をもう一度説明しましょう。

 テナントは店舗内装工事を施し、商品を仕入れ、販売員を雇い、賃料を支払い営業を行うのですが、コロナ禍はテナントの売上を大きく落とし、内装・在庫投資負担や賃料などの経常支出に耐えられなくなり、賃料減免や退店、中には倒産となる企業も出てきました。

 この環境下では従来のSCとのリスク負担では、テナントの出店意欲は上がらず、空室が増加、その空室も今後、埋まらないことが予想されるのです。

  では、その時、SC事業者はどのようにこのリスク負担を捉え、テナントの出店を促すべきでしょうか。

 これまでもテナントの資金力が乏しい場合やSCへの出店に不慣れなテナントの場合、テナントの内装をSCが負担することも珍しくはありませんでした。

 最近では低廉な家賃設定と店舗内装を負担することで出店を促すことも増えています。

 しかし、営業がうまく行かず途中退店となれば除却損の発生で営業損失を招きSCにとってはリスクを高めます(図表1)

 これまでSCがテナントの内装を負担する場合、メンテナンスをテナント負担としたり場合によっては原状回復義務をテナントに課すなど出来るだけ投資後のリスクを回避することをSCは考えがちでした。

 しかし、この手法はあくまで単店ベースでのテナントリーシング手法であり本当のテナントに対する負担とそのリターンを享受する仕組みでは無いと言えるでしょう。

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