販売計画の上乗せ、年末商戦の見極め必要=任天堂社長
[東京 16日 ロイター] – 任天堂の古川俊太郎社長は16日、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売計画について、見直しの必要性は年末商戦を見極める必要があるとの認識を示した。スイッチは新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要を捉えて販売を大きく伸ばしているが、計画の上乗せには慎重姿勢を示した。
古川社長は「7―8月の夏商戦もスイッチのハード、ソフトとも各地域で販売の勢いが継続し、計画に対して順調に推移している」と述べた。今春に発売したゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」のヒットでユーザー層が拡大し「ここまでは例年以上に勢いのあるビジネスが展開ができている」とした。一方、年末商戦のある10―12月期の売り上げや利益の通期業績に占める割合が例年、大きいとし、計画見直しには「ホリデー商戦の動向を見極める必要がある」とした。
エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは今期の販売見通しについて、流通状況などを踏まえると「2000万台越えは確実で、2400万台程度になるのではないか」と指摘している。
任天堂の21年3月期のスイッチ販売目標は1900万台(前年は2103万台)。4―6月期のスイッチの販売台数は568万台(前年同期は213万台)、ソフトウェアの販売本数は5043万本(同2262万本)と、いずれも大きく伸びている。
オンラインのユーザー拡大も
古川社長は、任天堂のサービスで使用される「ニンテンドーアカウント」が2億アカウントを越えたことも明らかにした。スマホ向けアプリ「マリオカート ツアー」の配信を機に飛躍的に伸びたという。スイッチユーザー向けの有料サービス「ニンテンドー スイッチ オンライン」の会員は2600万人を越えた。「ポケットモンスター」シリーズや「あつ森」の発売が弾みとなった。ダウンロード販売などの「デジタル売上高」は4―6月期に前年同期比約3倍と伸長し、利益率の押し上げに寄与している。
同社は22年公開に向けて同社のキャラクター「マリオ」のCGアニメの制作を進めている。映像展開については「すでに複数の企画に着手し、さらなる可能性を追求する」(古川社長)と述べた。