こんにちは、成田直人です。前回は、どうしたらアフターコロナで生き残り続ける店になれるのか?についてお話をしました。今回は、あなたの店が、お客様から選ばれる店になるために、店の特徴を付ける方法を伝授します。
「店舗に足を運んでいただく」難易度は今後ますます高まる!
アフター(しばらくはウィズコロナ)コロナに向けて各店舗が営業を再開してきました。
店が開けばお客様は一時的には戻ってきてくれるでしょうが、オンラインの便利さに気づいてしまったお客様、ステイホームに慣れてきたお客様が大勢います。そのため、「店舗に足を運んでいただく」難易度は今後ますます高まっていくことでしょう。
そんな中、いかにして店舗を存続させるのでしょうか? その方法は過去の成功を捨てることから始まると私は思っています。
これまでのチェーンストアマネジメントは高度成長期の日本を支えてきましたが、成熟期にある日本ではブランドが多様化し、個人の消費の価値観も多様化してきました。日々店頭に立っていればその変化を実感されていることと思います。
その結果、今まで売れていた商品が徐々に売れなくなり、今まで売れなかった商品がチラシやイメージ広告ではなくインスタグラマーの投稿ひとつで完売したりする時代になったのです。これまでは、「どこでも同じ品質の店」であることがチェーンストアの常識でしたが、この王道の成功法則が少しずつですが変わってきているのかなと店頭支援をしていて実感していることです。
そこへ「コロナ」がやってきて個人の消費に対する価値観はさらに変化しました。今後も存続する店であるためには、顧客の消費の価値観を理解していることが重要でしょう。
もちろん一部の超大手企業はこれまで通りの戦略で良いかもしれませんが、それ以外の店舗は各地域ごとに、主要年齢層ごとに商品展開を変える、販売促進の仕方を変えるという工夫が必須となるでしょう。
メーカーの担当者が店に来て売場を作ってくださることに満足せずに、メーカーの担当者さんと一緒になって、自店に来店するお客さまにとって一番必要な商品やサービスは何なのかを突き詰めていきましょう。そして、その商品が売れる設計(販売促進)を考え抜く。それによって、これから先も地域で愛され続ける店になることができるでしょう。
「あなたの店の顧客はなぜあなたの店を選んでいるのか?」
「あなたの店の顧客はなぜあなたの店を選んでいるのか?」
まずはこの質問について考えてみましょう。この回答こそあなたの店の他店にない「強み」になります。
まずは、この強みを伸ばすことです。一例として、レトルト商品が他店よりも売れ行きが良いとしましょう。この場合、「もっと多くのレトルト商品を増やす!」ということが強みを伸ばすことにはなりません。品揃えが増えても結局他店にすぐ真似されてしまうからです。すでに魅力的な商品群になっているからこそ売れているわけですから、基本的には品揃えはそのままで問題ありません。
では何をすべきでしょうか?
私がこの店のコンサルタントであれば、まずはじめに従業員の皆さんを対象とした「レトルト商品の試食会」を開きます。その中で従業員が選ぶ「忖度なしのベスト5」を決めて通常の3倍発注をします。次にベスト5の理由や試食会の様子をポスターにして掲示をします。5つの商品は在庫も多めに発注しているので売場に展示する際もインパクトを出すことができます。
つまり、強みを伸ばすというのは、自然に売れている商品をさらに伸ばすことで「顧客にイメージを植え付ける」、ということなのです。
「あの店はレトルト商品がおいしい!」といったような「○○な店」と想起される存在になることが重要です。あまりお勧めしないのは「あの店は安い」という価格をフックにした特徴です。他に安い店があれば、そちらにお客は逃げてしまうし、第一この戦略は消耗線となるため、長続きしません。
しかし、価格以外で手間ひまをかけて作りあげたイメージはそう簡単に他社が追随できません。だから、地域でお客様から選ばれる理由になるのです。
店舗ごとに売れる商品もお客様の層も違うからこそ、自店の特徴を最大限生かした店舗づくりをしてみてはいかがでしょうか。まずは、他店よりも売れている商品は何か?その商品をもっと販売するためにできる工夫は何か?ぜひ考えてみてください。
なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。