クビ寸前のダメ販売員を売上日本一に変えた意外な方法とは

成田直人
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同じ販売・接客業務に従事するのに、すごく売る人とあまり売れない人がいます。今回はこの差はどこから来ているのか、売れない人が売れるようになるにはどうしたらいいのかを、セールスコンサルタントの成田直人さんが解説します。「あの人は口がうまいから!」「あの人は嫌われてもいいからとにかく話しかけるから」というのが理由ではありません。成田さんが提案するのは、相手から「売って欲しい」と言われる状態をつくること。その考えに沿って、解説していきます。

※本稿は成田直人著・ダイヤモンド社刊『勝手に売れ続ける最高のセールス』から一部抜粋再編集したものです。

売れる人も売れない人も絶対に経験することとは?

接客のイメージ
iStock

 

 突然ですが、皆さんは、売れる人と売れない人の決定的な違いは、なんだと思いますか?

 その答えに自力でたどりつくために、まずは売れる人も売れない人も絶対に経験することは何かについて考えてみてください。

 思い当たりましたか?

 売れる人も売れない人も必ず経験することは「売れないという瞬間」です。

 トップセールスの人でも、百発百中で商品やサービスが売れることは、まずありえません。

 僕が 大学時代にアルバイトで入社したABC マートで「日本一の販売員になった」時でも、1日100組に接客して100組すべてにお買い上げいただくことはまずできなかったです。

 このように販売員は、「売れない」という瞬間を毎日何度も経験します。この時に自分がどんな反応をするか、そこから何を学べるかがすごく重要なのです。

 僕も、ABC マートに入って最初からバンバン売っていたわけではありません。全く売れないところからスタートしたんですね。

 どれぐらい売れなかったのかっていうと、他のメンバーは1日15万円〜20万円も売り上げているのに、僕は1日2万円ぐらいしか売ることができなかったです。他のスタッフも同じ商品を売って、同じ時間働いて、同じ場所で働いているから、与えられた環境は一緒です。

人や環境のせいにしても、売上は1円も増えない!

 始めた当初は、「なぜ売れないのか」という本質的な理由に気付けませんでした。そしてお客さまや周囲の環境のせいにしまくっていたのです。

 商品が売れないと、店長から呼び出されます。

 「ナリ(僕は当時そう呼ばれていました)、ちょっとおいで」と。

 それで店長のところに行くと「君が今30分接客している間に、他のメンバーはもう一足二足売っているぞ」「ナリだっていい感じにお客さまと喋れているのに、なぜ売れないんだ?」と聞かれます。

 僕はその時、いつもこう言っていました。

 「お客さまは今日は見にこられているだけみたいです」

 「ふらっと立ち寄っただけみたいです」

 「一回考えて、土日にまた来ると言っていました」

 売れないのは、僕のせいではなくて、お客さまにニーズがなかったからだと考えていたのです。

 実は、こういうマインドの人は、どれだけ売り込まないセールスデザインを学んだところで役に立ちません。根本の「マインド」から変えないといけません。

 何が問題なのでしょうか。そして僕は、なぜ変わることができたのでしょうか。

 

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