100円のボールペンを探しているお客に 1000円の商品を買ってもらう方法とは

成田直人
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「100円のボールペンを探しているお客さまに、1000円のボールペンを売るにはどうしたらよいか?」
皆さんがこのような質問をされたら、どのように答えますか?「そもそも1000円の商品を求めていないのだからムリなのでは?」と考えたら、それで終わり。何も始まりません。お客さまも気づいていない価値を接客を通じて「顕在化」させることで、お客さまの方から「買いたい!」と言ってもらえるようになるのです。セールスコンサルタントの成田直人さんに解説してもらいます。
※本稿は成田直人著・ダイヤモンド社刊『勝手に売れ続ける最高のセールス』から一部抜粋再編集したものです。

DmyTo/istock
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いきなり「声掛け」していませんか?

 あなたは筆記具売場の販売員です。取り扱っている1本1000円のボールペンは「4色のボールペン+シャープペン」で書き味が滑らかだとします。

 僕が100円のボールペンを探しているお客になりますから、「100円のボールペンを買いに来ている人に、単価10倍の1000円のボールペンを売る」というセールスのロールプレイングをしてみましょう。

 目の前に100円のボールペンがいっぱい並んでいる状態を想像してください。あなたならどうしますか?

 突然、隣から僕に「どうしたんですか?」「何をお探しですか?」と、声をかけようとおもっていませんか?

 声のかけ方にも、販売員の力量の差が出ます。売れない人は、「当店で扱っているボールペンは非常に書き味が滑らかなんですよ、ちょっと書いてみてください」という「押し売り」をしてしまいやすいんです。

 あるいは「実は私、今1000円のボールペンを売っている販売員でして」と言って唐突に近づいていったりする。そうやって急に来られても、売り込まれる方からすれば「いらねーよ」となってしまいます。

「売れる人」は現状確認から始める!

 一方、「売れる人」というのは、まずはお客さまの現状確認から始めます。

 例えば「今日スーツを着られていますけど、普段どんなお仕事をされているんですか?」と。

  そこで「僕ですか?営業の仕事をしています」と答えたとします。

 そうしたら「このお客さまは営業の仕事しているんだな、となるとボールペンはどのように使うのかな?」というように、そこから想像をどんどん膨らませていくのがポイントです。

 ここで、比較対象は100円のボールペンで、「1000円のボールペンが生み出す価値とは何なのか」を考えていきます。

 たとえば、もしお客さまが営業担当者であれば、クライアントから契約書にサインしてもらうとき、100円のボールペンを使っていると失礼に当たるシーンがあります。

 僕にも経験があります。

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