アフターコロナの巣ごもり消費で選ばれるテイクアウトには明確な戦略が必要だ
価格が安いものを用意して、来店頻度を上げることで、お客様の「買いやすさ」を高めるのも一手である。
・自宅でご飯を炊くお客様に、おかずだけを販売する
・パスタを自分で作るお客様に、ソースだけを販売する
など、〝部分売り〟でお客さまに提供すると、価格を抑えて、なおかつ付加価値を下げずに来店頻度を上げることができる。
もちろん、高い単価の商品を買ってもらいたい気持ちもあるが、巣ごもり消費の時期のお客様の財布の紐は想像以上に固い。「高い料理も買えるし、ちょっとした美味しい料理も買える」というダブルスタンダードのお店のほうが、買い回りの回数が増えて、安定した売上を確保することができるようになる。
告知と支払いの工夫で「買いづらい」という弱点を潰す
「買いづらい」という問題に関しては、ポスティングやビラ配り、新聞の折り込みチラシなどを使って、地域のお客様に「テイクアウトをはじめました」ということを、しっかり宣伝することである。飲食店の立地と、コンビニやスーパーの立地はまったくの別物であり、呼び込む仕掛けがなければ、飲食店までわざわざお弁当を買いに来てくれる導線を作ることはできない。
地域のお客様にメニューを配るだけでも、反応は変わる。テイクアウトの事業の認知度を上げるための宣伝活動は積極的におこなったほうがいいだろう。また、地元のホームページ制作会社の協力を得て、テイクアウトができる飲食店を集めたサイトを作るのも、集客増につながる施策といえる。
店頭には、テイクアウトを始めた旨を大きく告知する看板やポスターが必要である。わかりづらい「テイクアウト」という言葉よりも、
「持ち帰りのお弁当始めました」
「ご自宅まで夕食を届けます」
という日本語のキャッチコピーのほうが、お客さまには伝わりやすい。通行人に買ってもらうのであれば、店内に入って買ってもらうのではなく、店の前にテーブルを置いて専用の売場を作ったほうが買いやすくなる。