アフターコロナの巣ごもり消費で選ばれるテイクアウトには明確な戦略が必要だ

2020/07/31 05:55

 ただし、味覚は人の好みや体調によってムラが激しいところがある。「美味しい」「まずい」は基準を作ることが難しく、修正するポイントを導き出しにくい。そのような場合は、個人差が出にくい視覚で「美味しい」と思わせる仕掛けが必要である。たとえば、メニュー名に「冷めても美味しい」「シェフこだわりの」などのイメージが湧きやすい言葉を挿入して、食べる前から美味しさをイメージさせたり、盛り付けで差をつけたりするのも、手っ取り早く付加価値を高める演出方法の1つといえる。

 飲食店ならではの楽しく過ごせる空間と時間の演出に関しても、オンラインの特性を生かせば、いろいろなアイデアが生まれてくる。

 たとえば、お弁当といっしょにレシピ動画のQRコードが入ったチラシをつけて、目の前で食べているお弁当の美味しさの秘訣を公開してみるのも一手である。美味しければお客様も真似をしたいと思うし、料理のレパートリーが増えるメリットがあれば再びその店でテイクアウトをしてくれるチャンスにもつながる。

「料理のノウハウが盗まれると、テイクアウトのお弁当が売れなくなるのでは」と思う人もいるかもしれない。しかし、お弁当が売れなくなるよりも、レシピ動画でお客様を感動させて、ファンになったもらうほうが、後々の売上アップにつながりやすい。

 また、料理のレシピはすべてを公開する必要はない。味の違いを出すためのちょっとした工夫や、料理の仕方を2~3分のかんたんな動画にまとめるだけでいい。その「ちょっとした違い」を知ることが、お客様にとってわかりやすい「感動」であり、料理を食べる側にとっても満足度の高いコンテンツになるのである。

オンライン飲み会で好まれるテイクアウト料理とは

 巣ごもり消費が長引くようであれば、オンライン飲み会の需要も高まる。ネットのリテラシーが低い人はまだまだ多く、お客さまのオンライン飲み会のスマホやパソコンのセッティングも込みにした宅配サービスにすれば、ユニークな販促手法として注目されるかもしれない。

 特に女性の場合は、男性と違い、食べている料理で会話が盛り上がる傾向がある。もし、飲食店の周辺の住宅街で、主婦同士がオンライン飲み会をするのであれば、それぞれの参加者の自宅に同じ料理を宅配してあげるサービスも、飲食店ならではの楽しい時間と空間の提供になるのではないだろうか。

 次に飲食店のテイクアウトの弱みを潰す戦略を考える。

 まず、価格の面に関しては、大量生産をするコンビニやスーパーに勝つことは難しい。付加価値をつけて高い料理を出し続けるとしても、テイクアウトの価格には限界がある。特別な日に値の張った料理をテイクアウトしてもらったとしても、お客様が食費を安く抑えたい日にそれに応えられるメニューがなければ、店から足が遠ざかってしまう原因になりかねない。

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