時短営業、フロアシート、アクリル板設置…アメリカとイギリスの小売業の新型コロナウイルス対策
アズダは隔離期間中の従業員に賃金10割を支払う
英国では、政府が小売業者に対して、2mのソーシャルディスタンスを確保するための施策を講じるよう求めている。具体的には、来店客や従業員にソーシャルディスタンスを保つよう注意喚起すること、発熱などの症状がある来店客は入店しないよう看板で告知すること、入店者数を制限すること、来店客の誘導に当たるスタッフを店舗の入口に配置することなどを指示している。
ウォルマート傘下の英アズダ(ASDA)では、2mごとの距離をフロアシールで明示しているほか、レジや薬局カウンター、サービスカウンターで飛沫感染予防のためのアクリル板の設置を進めている。また、店舗への入店者数を制限し、買物の同伴者を最小限にとどめるよう、来店者に呼びかけている。
英国の公的医療機関である国民保健サービス(NHS)では、本人もしくは同居家族に新型コロナウイルス感染症への感染が疑われる症状が現れた場合、自主隔離することを推奨している。また、70歳以上の高齢者や妊婦など、新型コロナウイルス感染症でリスクが高いとされる人々にも、外出の自粛を呼びかけている。
アズダは、国民保健サービスの指針に従って自主隔離する従業員や行政機関により強制隔離を命じられた従業員に、隔離期間中、賃金10割を支払う。また、70歳以上の従業員や妊娠している従業員にも、12週間にわたって有給休暇を付与している。
英国では、スーパードラッグ(Superdrug)やブーツ(Boots)といったDgSチェーンの店舗でも、フロアシールによる2mのソーシャルディスタンスの明示、レジや薬局カウンターでのアクリル板の設置を行っている。スーパードラッグでは、店内の清掃や商品補充のための時間を確保するため、営業時間を10~17時までに短縮。ブーツでは、4月15日以降、英国内の約2400店舗のうち、繁華街やショッピングセンターにある60店舗を一時的に閉鎖している。