新業態「ヨークフーズ」と自社インフラの整備…セブン&アイが新会社ヨークのもとで描く「首都圏食品戦略」とは!?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)は512日、オンライン記者会見で6月に設立予定の新会社ヨーク(東京都/大竹正人社長)のもとで行う「首都圏食品戦略」の具体的な取り組み内容を発表した。会見では、新業態「ヨークフーズ」の1号店が翌日の513日にオープンすることや、セブン&アイが首都圏で展開する食品スーパー(SM)事業の今後の方針などが明らかにされた。

首都圏SMをまとめる新会社ヨーク

 ヨークは、ヨークマート(東京都/大竹正人社長)から61日に商号変更予定の新会社だ。「ヨークマート」に加え、イトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)の「イトーヨーカドー食品館」、ディスカウントストア(DS)業態の「ザ・プライス」、フォーキャスト(東京都/末次秀生社長)が運営する「コンフォートマーケット」といったグループの首都圏SMを擁することとなる。

 なお、フォーキャストはこの組織再編によりヨークに吸収合併され、フォーキャストが現在展開している店舗のうち、「中延店」は531日をもって閉店。「西馬込店」は同日一時休業となるが、今夏の営業再開を予定している。現時点で今後のコンフォートマーケットとしての新規出店は計画されていないという。

新業態「ヨークフーズ」がオープン

 ヨーク発足に先駆け、513日には新業態である「ヨークフーズ」の1号店である「ヨークフーズちはら台店」が新規オープンする(詳細はこちら)。17年度からヨークマートで取り組んできた「ハンドメイドサラダ」「お魚屋さんのお惣菜」「ナポリピザ」などの「新規MD」を集大成した店舗で、オペレーションの省人化やSDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みなども実施する。

ヨークフーズちはら台店
ヨークフーズちはら台店

 今後、イトーヨーカドー食品館は改装に先駆けて65日をもってすべての既存店の屋号をヨークフーズに転換し、その後改装を順次実施する予定だ。なかでも20206月に改装予定の「イトーヨーカドー食品館新宿富久店」は、ヨークフーズの旗艦店として位置付けるという。ヨークマートの既存店についても順次ヨークフーズへ転換するが、屋号の変更は各店舗の改装時に行うとのことだ。ヨークマートとイトーヨーカドー食品館を合わせて、20年度下期は34店舗、21年度以降は年間6店舗の改装を予定している。

 

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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