キリン堂ホールディングス 既存店売上高が堅調で過去最高益を更新

小木田 泰弘 (ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長)
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医薬品の粗利益率が1ポイント改善!

  部門別の販売動向は、「医薬品」はプライベートブランド(PB)商品の販売が好調で粗利益率が対前期比1ポイント改善し、全体の粗利益率向上に貢献した。「健康食品」は下期からサプリメントが好調に推移したものの、ダイエット関連や夏季の熱中症対策関連が不振で売上高は同2.8%減となった。「化粧品」は1911月にPBKi-reise(キレイズ)」シリーズをリニューアル発売。販売は好調で同シリーズはリニューアル前と比べて売上高が30%増となった。しかし制度化粧品が消費税増税後の落ち込みの回復が遅れており、「化粧品」の売上高は同2.1%増にとどまった。「雑貨等」は販促の見直しにより粗利益率が同0.6ポイント改善し全体の粗利益率向上に貢献した。「調剤」は売上高拡大によって構成比が高まり、全体の粗利益率向上に寄与した。

  販売費及び一般管理費(販管費)はやや計画を上回っているものの、全体ではコントロールできたとしている。

  出退店の状況は、新規出店はドラッグストア8店舗、調剤薬局4店舗の計12店舗を出店した。調剤薬局4店舗を譲受。14店舗を閉店した結果、期末店舗数は371店舗となった(処方箋取扱店舗は調剤薬局併設53店舗、調剤薬局45店舗の計98店舗)。

  20212月期業績(連結)は、売上高1342億円(対前期比0.7%増)、営業利益31億円(同13.0%増)、経常利益39億円(同5.1%増)、当期純利益18億円(同4.1%増)を見込む。

  決算説明会では、第3次中期経営計画(202031日~2023228日)も公表した。

  20232月期の業績目標は、売上高1485億円(対202月期比11.4%増)、営業利益478000万円(同70.9%増)、経常利益561000万円(同51.2%増)、当期純利益284000万円(同58.9%)、ROE(自己資本当期純利益率)13%以上だ。

  同社は成長のための重点課題として、(1)キリン堂公式アプリを利用した顧客戦略、(2)未病対策提案を軸としたH&BC(ヘルス&ビューティケア)の強化、(3)作業の効率化、(4)お客さまの「利便性」向上の売場改装、(5)処方箋取扱店舗数の拡大、(6)関西ドミナントの深耕――の6つを掲げている。

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記事執筆者

小木田 泰弘 / ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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