ミニストップのソフトクリーム専門業態「MINI SOF」の戦略と未来像とは

構成:編集プロダクション雨輝
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

タッチポイント拡大でブランド価値向上へ

 FF専門店事業部でミニソフの商品開発を担当する小田光氏によると、ミニソフ店舗で人気No.1を誇るのは、各カテゴリーで展開している「超ミルク」シリーズだ。コクがありミルク感の強いソフトクリームに、ホイップクリームと練乳を加えることで、濃厚ながらもソフトクリームのなめらかさとホイップのふわふわ感を両立している。「とくに『のむソフトクリーム』の『超ミルク』はイチ押し」(小田氏)という。

「のむソフトクリーム」シリーズの「超ミルク」

 FF専門店事業部では現在、毎日飲めるドリンク商品の開発に注力している。そのねらいについて小田氏は、「ソフトクリームは人気商品である一方、毎日必ず食べるというようなアイテムではない。そこで、毎日習慣的に飲めるようなバナナジュースやフルーツティーといった、ドリンク商品に注力することで来店頻度を高めたい」と語る。

 こうした方針を背景に、「今ではアイスクリームチェーンに加え、ドリンクチェーンやカフェチェーンも競合として意識するようになった」と小泉氏は話す。ドリンクの価格については、日常使いやファミリーでの利用がしやすい手頃さを維持しつつ、立地や競合の状況に応じて柔軟な価格設定を行っている。今後の出店戦略については、三大都市圏での直営展開を先行し、その後、フランチャイズによる全国展開をめざす。また、with MINISTOP事業を活用し、ミニストップ店舗がない地域での展開や、催事での出店など、多様な形態での事業展開も視野に入れている。

シェイクソフトのいちご、マンゴー

 マーケティング戦略では、引き続き販促や新規顧客層の開拓を行うとともに、InstagramTikTokといったSNSのショート動画を活用し、商品のこだわりを訴求することで、若年層や女性への認知拡大を図る方針だ。

 小泉氏はミニソフを通じて達成したい目標について、「ミニストップのタッチポイントを増やすこと」を強調する。「ミニソフ専門店、with MINISTOP事業、デリバリーなど、さまざまなかたちでミニストップのよさを身近に感じてもらえるようなアプローチをとりたい」と意気込む。

 さらに、「ミニストップには、ソフトクリームだけでなく、ポテト、ホットドッグ、おにぎりなど、まだまだ魅力的な商品がある」と小泉氏。そうした商品を専門店化する可能性も視野に入れながら、FF事業の多角化を通じて、「ミニストップ」ブランド全体の価値向上をめざしたい考えだ。

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取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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