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大丸、松坂屋などで買い取り事業 J.フロントがコメ兵と新会社設立の周到な戦略

吉牟田祐司
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全国にある大丸・松坂屋・パルコに出店

 百貨店ならでは強みを最大限発揮するために、外商部門との密接な連携も欠かせないと考えている。JFRの外商部門に顧客として登録されているID数は約30万。「店舗での買い取りに加えて外商のお客さまへの訪問買い取りも検討している」と下垣マネジャー。「外商部門のスタッフに、自分が担当するお客さまのためになり、自身の成果や実績にもつながっていくことを理解してもらい、協力体制を築いていければ」と期待を寄せる。

 2024年3月から5月にかけて実施した84日間の実証実験では、大丸神戸店に買い取り専門店を設置し、DMをはじめざまざまな手法でプロモーションを展開。約500人の利用があった。その8割近くが外商の顧客で、多くはリユース買い取りが初めてだったという。

 その後、夏から秋にかけて行ったマーケティング・インタビューでは、リユース買い取りに関して多く抽出されたキーワードが「安心感」「信頼感」だった。徳橋氏は「リユース業界でコメ兵は非常にしっかりした会社として認知されている。そこに百貨店の安心感、信頼感が加わればどうなるか。きっと支持を集められるだろう」と前向きな見通しを示す。

 下垣マネジャーは「買い取りによって入るキャッシュを元手に、お客さまがまた新しい買い物体験をしてくださる。そういったサイクルをつくれれば理想的」と語る。美術、呉服、宝飾、特選ブランドなどの売場スタッフがリユース買い取りの案内をすることで購買のハードルを下げ、背中を押すこともできるだろう。

 合弁会社の設立は3月。買い取り専門店の1号店は夏に開店。3~4年で23店舗の出店を計画する。JFRが全国に展開している百貨店とパルコは計31店舗。4分の3の店舗で買い取り専門店が展開されることになる。

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