コンビニは「多様性」重視へ、人件費分担見直しも=検討会報告書案

ロイター
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セブンイレブン外観
2月5日、コンビニエンスストアのビジネスモデルを再構築していくための議論を行ってきた「新たなコンビニのあり方検討会」に対し、経済産業省が最終報告書案を提示した。都内で2016年4月撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino/File)

[東京 6日 ロイター] – コンビニエンスストアのビジネスモデルを再構築していくための議論を行ってきた「新たなコンビニのあり方検討会」に対し、経済産業省が最終報告書案を提示した。人手不足や人件費高騰などの壁に直面しているコンビニに対し、「24時間営業」に代表される画一的なモデルから「多様性」を重視するモデルへの転換や、人件費の分担のあり方の見直しなどに言及している。

これまで成長を続けてきたコンビニは、大きな転換点を迎えている。コンビニオーナーからは、売り上げの伸び悩み、人手不足、人件費高騰などで経営が苦しくなっているとの声が上がっており、「これまでのコンビニの成長基盤が大きく揺るがされている」との問題意識がベースになっている。

報告書案では、24時間営業について「店舗の実情に応じた柔軟な対応を認めることが検討されるべきではないか」とした。また、最大の課題と位置付けた「人材の確保や定着」については「本部が人件費の上昇分を一部負担できる枠組みを用意する」という取り組みが広がることに期待を示した。

オーナーへのヒアリングでは、加盟店が本部に納めるロイヤルティーも「見直すべき」との声が多かった。本部はロイヤルティーの対価としての加盟店へのサポートを十分に説明して納得感を高めることが重要と指摘したうえで、ロイヤルティーが加盟店へのインセンティブとして適切に機能しないならば「食品廃棄への対応、人材の確保や定着を巡るコストなどの環境変化に応じた利益配分やコスト分担のあり方が勘案されるべき」とした。

また、本部と加盟店に意見の相違が生じた場合の相談先として、中立的な相談窓口や、裁判外紛争解決手続(ADR)の枠組みを業界で整備することも検討するべきと明記した。

こうした現状の課題解決とともに、テクノロジーを活用した次世代モデルや海外展開など、成長に向けた検討も重要とした。

検討会は、19年6月に第1回会合を開き、今回が5回目。この間、コンビニオーナーや本部からのヒアリングも重ねてきた。報告書案は、午後4時から開かれる検討会で議論し、最終報告書として取りまとめる予定。

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