地球沸騰で「アウター依存」アパレルは危険!勝ち残る斬新な戦略とは
ユニクロに勝つ方法は二次流通
企画段階から意識した商品開発を
数年前、私は余剰在庫の山となっているアパレルが取るべき戦略は「二次流通である」と声高に叫んでいた。当時は、「アパレルが補修屋になるのか?」などといわれ揶揄されたものだったが、今では自社のブランドを買い取る二次流通がどんどん広まってきており、「また、二次流通?」といわれて違和感を持つこともなくなってきた。
私は、この暖冬の世の中でユニクロに勝てる秘策があるとしたら、二次流通しかないと思っている。ただし、単に売ったモノを買い戻せば良いというものでなく、最初の企画段階から次のデザインに使えるように「パーツを組む」のである。「企画の初期段階から二次流通を意識する」は、もはやスマホや家電分野では当たり前だし、アパレルだってやってやれないことはないだろう。
例えば、1万円の商品を40%で買い戻せるのであれば、最終的にこの商品を購入した消費者は、買い戻しをいれて6000円の出費となるし、消費者もそのような計算をして商品を買うだろう。そうなると、ユニクロと価格は並ぶし、中太りしたバリューチェーンのムダな部分を吸収してくれる。
8月はこの先も厳しい暑さとの格闘の日々が続くだろう。最近では、夏に広まるインフルエンザや未知のウイルスなどもいるようだ。本格的に世界中でアパレルのビジネスモデルをしっかり見直す時が直ぐそばにきている。
河合拓氏の新刊、大好評発売中!
「知らなきゃいけないアパレルの話 ユニクロ、ZARA、シーイン新3極時代がくる!」
話題騒然のシーインの強さの秘密を解き明かす!!なぜ多くのアパレルは青色吐息でユニクロだけが盤石の世界一であり続けるのか!?誰も書かなかった不都合な真実と逆転戦略を明かす、新時代の羅針盤!
プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
河合拓のアパレル改造論2024 の新着記事
-
2024/11/19
ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果 -
2024/11/12
アパレルは「個人売買」「古着」が、今後驚くほど拡大する理由 -
2024/11/05
ユニクロがZOZOに出店しない当然の理由と今後のECモールとの付き合い方 -
2024/10/29
ライザップ傘下の夢展望、Temu効果で株価高騰も拭えない「不安」とは -
2024/10/22
事業再生、「自ら課題解決する」現場に変えるための“生々しい”ノウハウとは -
2024/10/15
利益5000億円越え!世界で圧巻の強さのユニクロが中国で苦戦する理由とは
この連載の一覧はこちら [47記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-29ライザップ傘下の夢展望、Temu効果で株価高騰も拭えない「不安」とは
- 2024-10-25入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-05ユニクロがZOZOに出店しない当然の理由と今後のECモールとの付き合い方
- 2024-11-12アパレルは「個人売買」「古着」が、今後驚くほど拡大する理由
- 2024-11-19ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果
- 2024-11-13値上げしたのにアパレル業界が利益に結び付かない2つの理由
- 2024-10-22事業再生、「自ら課題解決する」現場に変えるための“生々しい”ノウハウとは
- 2024-11-07同じ低価格なのに…GUがしまむらやワークマンと「競合」しない決定的な理由_過去反響シリーズ
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価