郊外・ロードサイド立地で存在感増す「韓丼」がめざす「ファストカジュアル」とは

千葉 哲幸 (フードサービスジャーナリスト)
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2016年からFC展開をスタート!

 転機となったのは、直営2号店の「北名古屋店」(愛知県北名古屋市)をオープンした2013年頃だ。

 同店の最大の目玉は、ジェットオーブンを初めて導入した点だ。1号店では、生の状態の素材を店内で焼いていたが、これではお客を長時間待たせてしまう。また、生焼けになってしまったり、焦げ付きが多くなってしまったりなど、クオリティが安定しないという課題もあった。ジェットオーブンを導入し、そこで素材を焼いたあとに炭火台でしっかりと焼き上げるオペレーションに変更することで、品質を保ちながら、提供時間を早めたのである。

 フランチャイズ展開を検討し始めたのもこの頃だという。フランチャイズ展開は2016年に開始し、現在は70店舗まで店数が増えている。300坪の敷地に店舗面積40坪、約20台の駐車スペースを標準とし、人員は社員が2人、パート・アルバイトが20~25人。投資額は居抜き出店で約3500~4000万円、新築で約6000万円だそうだ。ロイヤルティは3.5%で、食材は同社指定のものを使用する

 コロナ禍が本格化する2年ほど前からテイクアウト事業も行っており、コロナ期間中は需要が急増し、厳しい状況のなかで成長の原動力となった。

筆者が食べた「海鮮スン豆腐」と「さっちゃんのカルビ丼」(小)のセット

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記事執筆者

千葉 哲幸 / フードサービスジャーナリスト
柴田書店『月刊食堂』編集長、商業界『飲食店経営』編集長を歴任するなど、フードサービス業界記者歴ほぼ40年。業界の歴史を語り、最新の動向を探求する。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年発行)。

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