「安さ」のイメージ強い神奈川、東京西部地盤の三和 その安さ感づくりの秘密に迫る
東京都西南部と神奈川県の全域に店舗展開する三和(神奈川県/小山真社長)も「安さ」を強みとするチェーンの1つだ。ただし、ほかのディスカウント型の食品スーパー(SM)とは異なり、三和の売場は一般的なSMに近く、また、価格を強く訴求するプライベートブランド(PB)の扱いもほとんどない。それではどのように三和は低価格を打ち出し、安さを実感できる売場をつくりあげているのか。23年4月にオープンしたばかりの新店「三和厚木飯山店」(神奈川県厚木市)の売場から同社の強さを探ってみたい。
※本文中の価格はすべて本体価格
野菜相場高の中でも鮮度感を巧みに訴求
三和厚木飯山店は小田急小田原線「本厚木」駅からクルマで15分ほどの距離にある。厚木市の飯山エリアはSMが少なく、主だったSMはクルマで5分ほどの距離にある「ロピア厚木店」くらいしかない。
売場を見ていく前に、あらためて三和がどのような企業か確認しておこう。三和の創業は1958年。65年にSM1号店を出店し、主力フォーマットの「三和」、ローコスト型の「フードワン」と2つの屋号でSMを展開。総店舗数は76店舗となっている。2023年3月期の営業収益は1588億円と、中堅SMのポジションにある。
地域密着型SMを標榜する三和では、半径1.5kmの商圏を埋め尽くす「超ドミナント戦略」を掲げており、足元顧客のニーズを深掘りすることを基本方針としている。近年の新規出店ペースは年間1店舗程度と、企業規模を考えるとそれほど多いわけではないが、着実に出店を重ね、商勢圏での存在感を確かなものとしている。
厚木飯山店に話を戻そう。売場レイアウトは壁面に沿って、青果→和日配→鮮魚→総菜→精肉→洋日配→パンと続く。導入部の青果では売場のトップにさつまいもと柿を配置。さつまいもは焼き芋と併売することで需要の掘り起こしをねらい、柿はバラ売りの単品量販をメーンとしつつ、複数の品種を組み合わせて品揃えの豊富さも訴求している。
壁面の特設コーナーではシャインマスカットをはじめとしたぶどう類を展開している。これらのアイテムは価格訴求ではなく、季節感を意識した売場づくりとなっている。果物の量販としては、
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