医薬品登録販売者の活躍と認知度がかけ離れている現状と解決策とは ドラッグストア店員が直言!
市販薬の濫用問題にも踏み込んだ取り組みを
市販薬の濫用問題にも、もう一歩踏み込んだ対応を期待したい。
昨今、濫用のおそれのある市販薬を大量に服用することによる中毒が大きな社会問題になっている。ドラッグストアでは、濫用問題への取り組みとして、資格者による使用頻度・購入頻度の確認や、濫用のおそれのある成分を含んだ商品をレジでチェックできるアラートシステムを導入するなど、業界全体で医薬品の適正使用の働きかけを行っている。JACDSでも、「10代の若者による濫用問題」を採択し、引き続き若者による濫用問題に取り組んでいくとまとめている。
しかし、現場に立ついち店員の所感としては、濫用(もしくはそのおそれ)の問題は若者だけに留まらず、ご年配を含む幅広い年代で日々確認できるように感じる。レジシステム導入や資格者の声掛けにより、よい傾向が見えたように思えるが、根本的解決には至っていない。現在の取り組みだけでは、複数の店舗をハシゴして濫用のおそれのある医薬品を買い求める行動を止めることは難しく、資格者からの使用・購入頻度確認も基本的にお客さまの自己申告を尊重するため、虚偽の申告をすれば容易に複数買うことができる状態となっている。
あくまで個人的な意見だが、濫用問題に本格的に向き合い、撲滅をめざすには、法改正や濫用のおそれのある成分を市販薬で使用しない(処方箋のみにとどめる)といった方法をとるしかないのではないだろうか。「濫用をしたい人がしたくても現実的にできない」くらいの厳しいルールを作り上げる必要があるように思う。
薬物依存者の一部が危険ドラッグから市販薬へシフトしたという話も聞こえるようになった今、早急な対応とルール改正が必要だと強く訴えかけたい。
ドラッグストアショーは毎年開催を重ね、いまや健康と美容の最先端をゆく、最大級のヘルス&ビューティケアショーとなっている。しかし、ドラッグストア資格者の認知度不足や誤った薬の使い方によるリスクの周知といったことまで情報が発信できているかと言われると改善の余地があるように見える。生活に彩りを添えてくれる華やかな一面だけでなく、それらを支えるドラッグストアの仕組みやルールといった側面も伝えられるようになれば、よりよいかたちでのドラッグストアショーになるのではないだろうか。