第3回 食品・消費財メーカーは自社の特性を生かしてSDGsに取り組む
SDGsに注目が集まる昨今、すでに企業活動に取り込んで実践している企業がある。そこで、各企業のCSR報告書や農林水産省のSDGs特別サイトなどを参考に、小売業における主な取り組み事例を紹介する。
自治体と協働して社会課題解決を図る
![「こうか・こども朝活サロン」の様子](http://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2019/12/19a32784c519bc8576326a34efcb0ea5-680x207.png)
日本ケロッグ(東京都/井上ゆかり社長)は、滋賀県とタッグを組み、SDGs推進に向けた取り組みとして、19年8月、「こうか・こども朝活サロン」を実施した。これは子供の朝食欠食改善をめざすもので、滋賀県甲賀市において、朝食欠食率が高まりやすい夏休み期間に開催。子供たちが気軽に栄養バランスの優れたシリアル朝食にアクセスできる環境を提供するとともに、市内ボランティアによる学習サポートも実施した。
また、甲賀市が進める多文化共生推進計画とも連動し、市内で増加傾向にある外国人家庭の児童や生徒に向けても展開。外国人家庭においてなじみの深いシリアル朝食を架け橋に、日本人と外国人の子供たちが朝食を通じて交流できるユニークな支援プログラムとなった。
一方、日清食品(東京都/安藤徳隆社長)は深刻化する地球温暖化問題に対して、「カップヌードル」ブランドで使用する容器に「バイオマスECOカップ」を採用することを決めた。「バイオマスECOカップ」とは、容器に使用している石化由来のプラスチックを植物由来のバイオマスプラスチックに一部置き換えることで、業界初、バイオマス度を81%に引き上げた容器だ。
![カップヌードル](http://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2019/12/719a1856ce2f4091ef50ecb0f195d215.png)
もともと「カップヌードル」は環境に配慮した容器の採用には積極的であり、発売当初は発泡スチロール製の容器だったものを、08年に再生可能資源である紙を使用した「ECOカップ」に変更。そして今回、CO2問題への取り組みを強化すべく、「バイオマスECOカップ」の導入に踏み切った。これにより「ECOカップ」に比べ、1カップ当たりの石化由来プラスチック使用量をほぼ半減、焼却時のCO2排出量を約16%削減する。19年12月から順次開始し、発売50周年を迎える21年度中には全量の切り替えが完了する予定だ。
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