調剤が強いスギ薬局が、生鮮食品を導入する店を増やしていく理由=スギ薬局 杉浦社長

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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調剤市場で3000億円の売上をめざす

──なるほど。既存店成長率がプラスを続けているのも、右肩上がりで処方箋枚数が増えていく調剤部門がカギになっているわけですね。

杉浦 おっしゃるとおりです。当社の調剤併設型DgSは、新店の場合、売上高に対する寄与度は大きくありませんが、店舗年齢を重ねるにつれ、調剤部門の認知度がアップして、売上もじわじわと上がっていくのです。

──その調剤市場の将来性を、どのように見ていらっしゃいますか。

杉浦 調剤の市場規模は現在、約7.5兆円と言われています。今後、日本では高齢化はさらに進みますが、調剤の市場規模は高齢化のスピードほどには拡大しないと言われています。国は、医療保険制度を堅持するため、薬価を引き下げ、薬剤費の伸びを抑える政策をとっています。調剤薬局の利幅も、薄くなっていくでしょう。店舗数においても、既存の中小の調剤薬局はシステム投資ができなかったり、後継者を確保できなかったりするので、ある調査によると、調剤薬局は現在の5万5000カ所から、3万~3万5000カ所にまで減少するという予測も出ています。その際、同時に一部のDgSチェーンによる調剤市場の寡占化も、進むと見られています。

──そうしたなか、スギ薬局の調剤部門は現在、売上高1000億円規模(※2020年2月期上期で511億円)まで成長していますが、今後も強化していくのでしょうか。

杉浦 そのつもりです。今後の調剤薬局の方向性は、①調剤併設型DgS、②メディカルモール併設型DgS、③医療機関の「敷地内薬局」が有力だと、私は考えています。そこで、当社では①に加え、②の業態も増やしており、③についても今年11月、名古屋大学医学部附属病院の敷地内に開設する予定です。調剤市場に占めるDgSのシェアは将来的には20%くらい、売上規模に換算すると約1兆5000億円までは拡大するものと予測されます。その中で当社の調剤部門を、DgSの中で20%のシェア、つまり、売上で3000億円規模にまで成長させたいと考えています。当社の売上構成比における調剤部門のシェアは現在、約20%ですが、今後は30%台に拡大するでしょう。

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