ドラッグストアなどで一般用医薬品を販売する「登録販売者」の名称が変わるワケ
日本チェーンドラッグストア協会(神奈川県:以下、JACDS)は10月3日の記者意見交換会で、今後は「登録販売者」の代わりに「医薬品登録販売者」を用いることを明らかにした。ドラッグストア業界の成長に大きく貢献している「登録販売者」について、消費者に「薬の専門家」として広く認知されることをめざす。
ドラッグストアの成長を支えた登録販売者制度
「薬事法の一部を改正する法律」(平成18年法律第69号)により創設された登録販売者制度。この制度がなければドラッグストア業界がここまで大きく成長することはなかったと指摘する声もあるほどだ。
マツモトキヨシホールディングス(千葉県)の会長で、JACDS初代会長を務めた松本南海雄氏は、1990年代後半の「薬剤師不在問題」がJACDS設立と登録販売者制度創設、薬事法改正につながったと話す。
「99年にJACDSができた背景には薬剤師不在問題があります。当時、一般用医薬品(OTC)は店に薬剤師がいなければ販売できませんでした。しかし一部の店舗で薬剤師がいないのにもかかわらず、OTCが販売されており、問題となったのです。DgS企業の経営者はこのような環境に危機感を持っていました。そこで宗像守さんの勉強会に出席していた仲間が集まり、業界団体を立ち上げて取り組んでいこうということになったのです。(中略)JACDS会長就任後は厚生労働行政に長けた国会議員の先生にもJACDS政治連盟の活動に協力してもらうことになりました。そのかいもあって、登録販売者制度の創設や薬事法改正につながったのです」(『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌2019年3月15日号)。