衝撃の調査結果!!いまディスカウントストアが食品スーパーを侵食している理由

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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ビッグ・エーは焼きたてパンや
小型家電も品揃え

 イオングループ傘下で小型ディスカウントストアを展開するビッグ・エー(東京都/三浦弘社長)は、アルディ・リドルをベンチマークし、新たな商品の投入や、買物環境に配慮した店づくりを始めている。
 たとえば、徐々に設置店舗を増やしているのが、インストアベーカリーだ。食品スーパーと遜色ない品質を追求した商品を税抜89円均一という低価格で販売する。
 また、20年2月期からは、従来より洗練された内装デザインを採用するほか、いつでも「発見」のある買物環境をめざし日用雑貨や小型家電などを集めたコーナーを設置した実験店の出店もスタートさせている。
 イオンは21年3月期までの3カ年の中期経営計画でディスカウントストア業態の強化を方針に掲げており、ビッグ・エーも来期からは年間20店ペースで新規出店できる体制の構築をめざしている。

ビッグ・エーが設置を進めるインストアベーカリー。全229店(19年7月末)中約30店に導入済みだ
ビッグ・エーが設置を進めるインストアベーカリー。全229店(19年7月末)中約30店に導入済みだ
7月に改装オープンした実験店「足立扇店」(東京都足立区)。青果売場はスポット照明を使用するほか、商品の陳列も工夫しており、アルディやリドルを連想させるような売場だ
7月に改装オープンした実験店「足立扇店」(東京都足立区)。青果売場はスポット照明を使用するほか、商品の陳列も工夫しており、アルディやリドルを連想させるような売場だ

 このようにディスカウントストアは、低価格なだけでなく質をともなった商品・サービスを提供できる実力を身につけてきている。さらに低価格実現のために、ローコスト・オペレーションの施策も先進的に進めている。たとえば前述のビッグ・エーは、店舗作業の効率化により、同社標準の売場面積100坪の店舗を、原則24時間営業にもかかわらず48人時/1日での運営を可能にしている。今後人手不足の深刻化が想定される食品小売業界において、ディスカウントストアは持続性という点でも競争優位性を持っていると言える。

 ビッグ・エーの三浦弘社長は「消費税増税の今こそディスカウントストアの認知度と評価を高めるチャンス」と述べており、他業態への攻勢を強める姿勢だ。食品スーパー各社はこれまで以上にディスカウントストア対策を意識する必要があるだろう。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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