衝撃の調査結果!!いまディスカウントストアが食品スーパーを侵食している理由
品質や空間にこだわり
従来のイメージを払拭
なぜ、ディスカウントストアはここにきてシェアを拡大させているのか。大きな要因は、各社が低価格だけでなく、品質も追求した店づくりや商品開発を進めていることだ。そうすることで、これまで持たれてきた“安かろう悪かろう”というイメージを払しょくし、新たな利用客を取り込んでいる。
そんなディスカウントストアの先進企業の多くがベンチマークしているのが、欧米で勢力を拡大しているハードディスカウンターのアルディ(Aldi)とリドル(Lidl)だ。ともに第二次世界大戦後ドイツで生まれ、低価格かつ高品質を追求することで低所得者だけでなく中間層にも利用を広げ、08年のリーマン・ショックなどを好機として、世界各地で成長を遂げている。日本のディスカウントストアも同様の手法で、消費者の節約志向を取り込み利用者の獲得を図っている。
北辰商事「ロヂャース」の
パッケージにもこだわるPB
具体的な事例を紹介しよう。たとえば日本初のディスカウントストアとされる「ロヂャース」を展開する北辰商事(千葉県/太田順康社長)は、15年からプライベートブランド(PB)「マイカイ」の開発をスタートしている。粗利益率を大手チェーンPBの半分ほどの25~30%に設定して、高品質かつ低価格な商品を実現し消費者の支持を獲得。PB投入前との比較で3ポイント近くの売上総利益率の改善に成功している。
同社がPB開発のうえでアルディ・リドルを手本にしているのが、パッケージデザインだ。全商品で統一するのではなく、品目ごとに異なるデザインを採用している。そうすることで、それぞれのカテゴリーの魅力をより訴求するとともに、似たような商品が多く並んで売場が乏しい印象にならないようにしている。