人件費差で選ぶのは時代錯誤!最新のアウトソーシング、CoEとSSCが経営に必須のワケとは
成熟時代は頭脳戦が全てを左右 CoEが必須の理由

話をアウトソーシングに戻し、BPOの進化形であるCoEとSSCについて解説したい。
この二つはアパレル以外の産業では、どんどん広がっているにもかかわらず、アパレル事業会社の人に理解させるのがなかなか難しく、自社のリソースでこれをつくろうとして失敗していることを最初に断っておく。
CoEは既述の通り「センター・オブ・エクセレンス、つまり知の集約」である。ここにはM&Aに関する業務も含まれる。
企業買収はコンサルの専売特許でもあるが、企業のデューディリジェンス業務についてはコンサル会社でも撤退を検討中のところが少なくない。
いい加減なバリエーションで企業価値を算出したり、適当なロジックで「シナジーがでる」と結論づけたり、ひどいケースになると、大リストラをした後、その社長の逃げ先と莫大な金を用意するといったことも私は実際に見てきた。
そんなわけだから、事業会社に買収防止などできないし、買収防止策を導入した瞬間、「米国式合理的経営がなくなった」と、株主が怒鳴るかが逃げ出して株価が下がる。米国のGAFAMなどは、リストラを繰り返しているが、株価を見ていると上がっていることがわかる。
企業の売上成長が鈍化したいま、重要な指標は財務3票、特にPL(損益計算書)ではなく株価となるだろう。私が推すTOKYO BASEがたったの一度赤字になっただけで、「大異変だ」と大騒ぎしているメディアを横目に、同社の株価はこの一年で大きく上がっている。このように、企業買収やバリエーションの考え方、SDGSによるWACC(加重平均した資本コスト)への影響など、パブリックカンパニーの本質を理解していない会社は、いまだにPLの売上と利益率を経営指標にしているから、投資家から攻撃を受けるようになるだろう。この観点でみても、企業にとってM&A組織は必須のものとなるだろう。
その他、アジア市場への正しい理解と中国企業のビジネスモデル、SDGSの世界の潮流やHIGG INDEXのようなオペレーション指標に対する理解と戦略がない企業も破滅する。これからは、財務3票ではキャッシュフロー計算書(システム投資はCAPEXが重要)、そして、企業成長を示すものとしては、株価およびEV (ENTERPRSE VALUE)となり、売上・利益は参考程度となるだろう。
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