H2Oがイズミヤの事業を分割、日用品販売事業はココカラファインとの合弁に

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イズミヤ
H2O傘下に入ってからイズミヤは総合スーパー(GMS)を47店舗から32店舗にまで減らしたが、集客力の低下が続いている。

 エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは5月14日、2021年度(22年3月期)を最終年度する新たな中期経営計画を発表し、傘下のイズミヤを事業分割することを明らかにした。14年に子会社化して以降、イズミヤの業績は低迷しており、事業再編によって立て直しを図る。

 2020年度にイズミヤをスーパーマーケット(SM)運営会社、日用品販売会社、商業施設運営会社に分割し、日用品販売会社はドラッグストア大手のココカラファインとの合弁会社とする。合弁会社は20年4月に発足する予定で、ココカラファインが51%、H2Oリテイリングが49%を出資する。

 分割設立するSM運営会社は、同じH2O傘下のSM企業、阪急オアシスと営業や商品管理のシステムなど共通化し、オペレーションを統合。H2Oグループ全体としてSM事業を強化する。SM運営会社には、ココカラファインが美容健康関連商品を供給する。

 H2O傘下に入ってからイズミヤは総合スーパー(GMS)を47店舗から32店舗にまで減らしたが、集客力の低下が続いている。GMS店舗の管理運営を引き継ぐ商業施設運営会社は、衣料品・住居関連商品の販売も担当、直営面積を減らしてテナントを誘致することで収益改善を図る。GMSの食品売場は分割後のSM運営会社が、日用品売場はココカラファインとの合弁会社が運営を担う。

 H2Oの18年度(19年3月期)の連結業績は売上高が9268億円、営業利益が204億円だったが、21年度には売上高9600億円、営業利益250億円を目指す。21年度のセグメント別営業利益は、主力の百貨店事業が阪神百貨店本店の建て替えやそごう・西武から引き継いだ神戸店と高槻店の改装費用などで165億円と18年度より13億円減少する一方、イズミヤと阪急オアシスを含む食品事業は18年度比で54億円増の50億円を目指す。H2Oの利益成長のゆくえは、食品事業の立て直しにかかっている。

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