ミスターマックス・ホールディングス代表取締役社長 平野 能章
オペレーション改革で業績回復、今期はデジタルの実験をスタート!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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デベロッパーにとって“使い勝手のいい”業態に

 

──中長期の成長戦略はどのように描いていますか。

 

平野 当社は17年9月に持ち株会社制に移行しました。ミスターマックス・ホールディングスという会社のもとで、共に事業を行っていく仲間を増やしていきたいという思いからです。

 

 業種はDSだけでなく、SM、ホームセンター(HC)などの小売業を想定しています。当社が掲げる「普段の暮らしをより豊かに、より便利に、より楽しく」という理念を共有し、EDLPで良いモノを安く提供するという考えが共有できる企業とグループになりたいと考えています。お話しできるような取り組みはまだありませんが、できるだけ早いうちにグループ全体で影響力のあるサイズにならなければいけないと思います。

 

2017年3月に総合スーパーの退店跡に居抜き出店した「MrMax守谷店」(茨城県守谷市)

 

──成長戦略における出店の位置づけを教えてください。

 

平野 自前の大型店をつくるのが最良ですが、最近は出店できる土地がありません。直近では17年3月に総合スーパーの退店跡に「MrMax守谷店」(茨城県守谷市)、18年7月にはショッピングセンター内に「MrMax南桜井店」(埼玉県春日部市)を開業しました。居抜き出店は何回か失敗をした経験がありますが、ようやく軌道に乗ってきたと手応えを感じています。

 

 デベロッパーさんに話を聞くと、出店テナントを集める際、SMやドラッグストアはたくさん手が挙がるそうですが、売場面積1000~1500坪を埋めるようなテナントはなかなか見つからないとのことでした。そのくらいの売場面積となるとHC業態の出店が考えられますが、賃料負担力の面で難しい。そこで当社に声がかかるわけです。今後はこのようなチャンスが増えていくとみています。デベロッパーさんからみたときに、“使い勝手のいい”業態でありたいと思います。

 

──新たなチャレンジの構想はありますか。

 

平野 昨年は中国の先進的な小売業を見て回り、彼らのフットワークの軽さや実証主義的な考え方に衝撃を受けました。また、当社と同じ福岡県地盤のDSであるトライアルさんにも大いに刺激を受けています。そこで当社でも2020年2月期中に、ある程度の規模でデジタル技術に関する実験をスタートしたいと考えています。

 

 もう1つは小型店です。一般に小型店といえば食品比率が上がりがちですが、これを一定に抑え、DSの品揃えをベースとした、非食品で戦える都市型小型店を展開したいと考えています。

 

 将来的にねらうのは都心のマーケットです。都心は1店舗でも出店できれば、それだけでビジネスになりえますので、できるだけ早く展開していきたいと考えています。

 

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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