既存店の業態改革が着々、上期で経常利益黒字化を達成=ダイエー 桑原道夫 社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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──SM、SSM以外の業態改革はいかがですか。

桑原 業態別に組織を見直しました。昨年は大型店の業績が問題だったこともあり、営業本部の中に大型店だけを担当する営業部を設けています。当社には今、関東、近畿、九州、北海道の各地域に営業本部がありますが、そこに権限を委譲する方向で進めています。地域の差配は、各地域の営業本部長を主体にしていきます。

──さて、高齢化が進み、国内市場が縮小していきますが、海外進出についての考えを最後に教えてください。

桑原 当社は今年3月、海外戦略のための組織を設置しました。将来を考えたら海外展開は無視できません。とくに中国、アセアンへの進出について検討を始めています。

 ただし、これは私の持論ですが、小売業には「出遅れ」ということはないと考えています。進出が遅ければ“高い買物”になるかもしれません。それでも利益のリターンと、失敗のリスクを天秤にかける必要があります。既存の企業を買収するという選択肢もあるわけです。

 当社には、業界他社よりも早く出すぎて火傷を負った過去があります。失敗経験も生かしてきちんと調べたうえで、進出方法を決めたいと思います。具体的な出店は、もう少し先になりますね。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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