ダイエーの戦略的小型フォーマット「イオンフードスタイル墨田横川店」の売場を解説!

小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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ダイエー(東京都/西峠泰男社長)は4月25日、東京都墨田区に「イオンフードスタイル墨田横川店」(以下、墨田横川店)をオープンした。関東エリアにおける同屋号での出店は、24年4月オープンの「イオンフードスタイル向ヶ丘店」(神奈川県川崎市)以来、約1年ぶりとなる。売場面積約300坪の小型店ながら、バラエティ豊かな品揃えを展開する同店をレポートする。

イオンフードスタイル墨田横川店の外観
イオンフードスタイル墨田横川店

「マイクロプロセスセンター」を活用した新しい店舗モデル

 墨田横川店は、都営浅草線・東京メトロ半蔵門線「押上(スカイツリー前)」駅から徒歩12分の場所にある新築マンションの1階にオープンした。 

 近隣は下町の街並みが残る一方で、12年の「東京スカイツリー」の開業を契機にマンションの建設が相次ぐ再開発地域でもある。商圏とする500m圏内は2050代の単身層や二人世帯、子育て世帯など、さまざまな住民層が混在しているのが特徴だ。

 競合店としては、周辺1㎞圏内に「東武ストア」「まいばすけっと」があるほか、押上駅前にはライフコーポレーション(大阪府)の「セントラルスクエア」、もう1つの最寄り駅であるJR「錦糸町」駅前には「ライフ」「西友」「BLΛNDE」「マルエツ」などが集積しており、足元商圏の競争は激しい。

 墨田横川店の売場面積は約297坪で、小型店に位置づけられる。店舗内は厨房やバックヤードのスペースを最小限にとどめており、総菜・鮮魚・精肉はプロセスセンター(PC)のほか、クルマで約5分の距離にある「ダイエー立花団地店」内の「マイクロプロセスセンター(MPC)」から供給する。鮮魚と精肉における立花MPCを含めたPC比率は100%となっており、店舗作業を大幅に省力化している。

 こうしたPCとMPCを併用・活用した小型店の運営は、同社が昨年から挑戦する新しい店舗モデルであり、都内を中心に今後も拡大を進める方針だ。

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記事執筆者

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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