生鮮強化で“大化け”したトライアルカンパニーが日本の小売を席巻するワケ

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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誰にもマネできない“トライアルという業態”の威力

 今後トライアルは新規出店と既存店の大型改装により、最新MDを導入したスマートストアを加速度的に増やしていく計画だ。ディスカウンターとしての安さと、SuCとしての非食品をはじめとした圧倒的な品揃えはそのままに、生鮮・総菜はSMレベルの鮮度、品揃えで展開、そしてスマートストアならではの斬新かつ利便性の高い買物体験を提供する──。

 つまり従来のSuCとしての強みに、「生鮮強化」「リテールDX」という2つの軸が加わったことで、トライアルにしか表現できない店舗、あるいは業態が確立されたといってもいいだろう。

 “トライアルという業態”が今後市場を席巻していくとなれば、SM、GMS、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販店など、あらゆる業態が影響を受けることになる。

 にもかかわらず、業界関係者のトライアルに対する警戒レベルはいまだ高いとはいえない。旧来のトライアルのイメージのまま、売場も商品も見ることなく、彼らの“変化”に気づかないままでは、遠くない将来、予期せぬ影響を受ける可能性もある。

 本特集では、トライアルの変化を商品、店舗、リテールDXという大きく3つの軸で深く考察した。これを契機に、ぜひトライアルの“爆発力”を体感していただき、早期の対策につなげてほしい。

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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