生鮮強化で“大化け”したトライアルカンパニーが日本の小売を席巻するワケ

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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売上高は6000億円目前!知られざる事業規模の大きさ

 現在トライアルは、北は北海道から南は鹿児島県まで、全国に約270店舗を展開する。売場面積1500坪前後を標準とするSuCのほか、2000坪超の大型フォーマットである「メガセンター」、小型フォーマットの「smart(スマート)」など複数のフォーマットを使い分けながら、ドミナント戦略を推進している。これによって各エリアでのマーケットシェアを高める、というのがトライアルのKPI (重要業績評価指標)の1つとなっているようだ。

 こうした経営戦略が奏功し、ここ数年、売上は右肩上がりで伸長を続けている。“コロナ特需”の恩恵も受け、2022年6月期の売上高は5975億円(トライアルカンパニーの流通小売事業の売上高:速報値)に上る。非上場企業のためその経営規模の大きさが取り沙汰されることは少ないが、6000億円に迫る売上を上げているのである。しかも、毎年数百億円規模で売上を積み増しているという事実も、あまり知られていないかもしれない。

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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