三浦屋も実践!店舗従業員の「コミュニケーションにおけるDX」が競合と差別化できる理由とは

取材・文:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
Pocket

あらゆる業界でデジタル・トランスフォーメーション(DX)の重要性が叫ばれるなか、小売業でも作業効率化や売場づくりにおけるデジタル化が進みつつある。こうしたなかで意外と見落とされがちなのが、店舗従業員間の「コミュニケーションにおけるDX」だ。高質食品スーパー(SM)の三浦屋(東京都/倉持幸夫社長)は、従業員のDXの取り組みを加速させている企業の1つである。

人手不足やコロナ禍で情報伝達が困難に

 人口減少や高齢化、過疎化、原価高騰──。食品小売業を取り巻く課題は枚挙にいとまがない。とくに小売業ではここ十数年、人手不足が深刻化しているうえ、人件費も高騰している。また、コロナ禍により非接触・非対面のニーズが高まるなど、生活様式の変化にも対応しなければならない。こうした課題への対策として各社が本腰を入れ始めているのが、作業の効率化による生産性向上や顧客体験の進化を目的としたDXだ。自動発注や電子棚札、セルフレジ、ネットスーパー、デジタルサイネージ、アプリ販促などの取り組みがメディアでもよくとりあげられるようになった。

 しかし、「本質的に店を強くするためには現場で働く従業員のコミュニケーションにおけるDXにも取り組まなければならない」と、クラウド上で従業員のコミュニケーションを支援するツールを提供しているMS&Consulting(東京都/並木昭憲社長)で常務取締役を務める渋谷行秀氏は話す。以前は店舗でのミーティングや本部での研修など対面でのコミュニケーションをする機会も多かったが、人手不足により店舗作業に集中せざるをえず、そういった時間を確保することが難しくなっている。さらにこの2年はコロナ禍で大人数が集まる会議を避ける風潮も生まれた。

左からMS&Consulting常務取締役 渋谷行秀氏MS&Consultingリレーション事業本部小売1チームマネージャー 角田聡氏三浦屋小売事業部販促企画室ディレクター古谷一雄氏、同室アシスタントディレクター内藤公晴氏三浦屋グルメエミオ武蔵関 越智善仁店長
左からMS&Consulting常務取締役 渋谷行秀氏MS&Consultingリレーション事業本部小売1チームマネージャー 角田聡氏三浦屋小売事業部販促企画室ディレクター古谷一雄氏、同室アシスタントディレクター内藤公晴氏三浦屋グルメエミオ武蔵関 越智善仁店長

加速する三浦屋のDX戦略

 従業員間の情報伝達が難しくなるなか、DXでいち早く

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

1 2

取材・文

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態