衣料品約20万点を回収! イトーヨーカドーが消費者と一緒に取り組むサステナブルな商品開発

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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SDGs」(持続可能な開発目標)や「サステナブル」「サステナビリティ」という言葉が聞かれるようになって久しい。消費者のサステナブル意識が高まるなか、企業にも持続可能なビジネスモデルの構築が求められるようになっている。そうしたなか、総合スーパー大手のイトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)もサステナブル戦略を本格化させている。

ポリエステルの再利用に取り組む

 イトーヨーカ堂を傘下に抱えるセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)が掲げる、「GREEN CHALANGE 2050」では、2050年までにCO2の排出量を実質ゼロにすることや、オリジナル商品の容器で環境配慮型素材を100%使用することなど、さまざまな目標の達成をめざしている。そうしたなか、イトーヨーカ堂は衣料品や住居関連品などを取り扱うライフスタイル事業部を中心にサステナブル戦略を推進している。

 先日行われたオンライン会見では、イトーヨーカ堂の直近の取り組みの成果が発表された。2110月には店舗で衣料品・傘の回収イベントを実施し、衣料品は193015点、傘は5477本回収することができた。回収したポリエステル製の衣料品はペレット加工し、再生糸工場で「RENU」(伊藤忠商事の登録商標)という再生ポリエステル糸にリサイクルされる。

 プライベートブランド「セブンプレミアムライフスタイル」では、「BODY COOLER 汗すぐサラリTシャツ」(1639円:以下税込)など、この「RENU」を使った衣料品を開発して販売しており、イトーヨーカ堂はこの消費者参加型のリサイクル活動を「i:Recycle(アイリサイクル)」と名付け、推進している。「i」にはイトーヨーカドーの頭文字と「私」という意味が掛け合わされている。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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