引き取り手がないジーンズが生まれ変わる!三越伊勢丹がめざすファッション×サステナビリティ
「think good」を共通スローガンに、社員一人ひとりがユニークなサステナビリティ施策を展開する三越伊勢丹ホールディングス(以下三越伊勢丹HD、東京都/代表執行役社長CEO 細谷敏幸)。その新たな取り組みが、ダメージや汚れがひどく、引き取り手がいなかった「リーバイス® 501®」をデザイナーやクリエイターの手によって生まれ変わらせるアップサイクルプロジェクト「デニム de ミライ~DENIM PROJECT~」だ。その内容もさることながら、自社のみならず、競合百貨店や地方のセレクトショップなど6社の共働プロジェクトとして展開する点も特徴だ。そこには、サステナビリティを一過性の“ファッション=流行”で終わらせまいとする担当者の思いがあった。
国内外の有力ブランドがユーズドストックをアップサイクル ※ユーズドストック:着用されたデニムパンツ・デニム生地
「リーバイス® 501®」。1890年に初めてロットナンバーが付いたジーンズの永遠の定番モデルを、ファッション好きなら知らない人はいないだろう。
その「 501®」は、古着ファンの間でも時代を超えた人気アイテムだ。しかし、古着市場で価値あるものとして取引されるビンテージジーンズもあれば、ダメージや汚れがひどくて買い手がつかず、廃棄せざるを得ないものも大量にある。
その棄てられる運命にあった「 501®」に、デザイナーやクリエイターが新たな命を吹き込んだのが「デニム de ミライ~DENIM PROJECT~」である。ANREALAGE/アンリアレイジ、Vivienne Westwood RED LABEL/ヴィヴィアン・ウエストウッド レッドレーベル、3.1 Phillip Lim /スリーワン フィリップ リム、Sergio Rossi/セルジオ ロッシなど国内外50を超える有力ブランドの手によって生まれたシャツやワンピース、家具などのアイテムは、ユーズドデニムならではの風合いと濃淡のコントラストが魅力的だ。
この「デニム de ミライ~DENIM PROJECT~」の仕掛け人が、伊勢丹新宿店の自主編集ショップ「リ・スタイル」の神谷将太氏。バイヤーとして年間70日以上は海外を飛びまわっていたという同氏は、どんな思いでこのアップサイクルプロジェクトを立ち上げたのだろうか。