引き取り手がなかったジーンズが生まれ変わる!三越伊勢丹がめざす「ファッション×サステナビリティ」の未来

2022/03/24 05:55
堀尾大悟
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競合百貨店や地方セレクトショップと“呉越同舟”で手を組む

ラベル
加工過程で取り外された「501®」のラベル

 しかし、「この取り組みを、一過性のトレンドで終わらせたくなかった」と神谷氏は続ける。「継続的な取り組みになることで、初めて『サステナビリティ』といえる。そのためにも、アパレル業界内で発信力があり、プロジェクトの意義に賛同してくれる“同志”を増やしたいと考えた」。

 神谷氏が声をかけたのが、「東の伊勢丹、西の阪急」と並び称される阪急百貨店と、同じ三越伊勢丹グループの岩田屋。さらに、山形・群馬・愛知の有力セレクトショップGEAst companyMIDWEST NAGOYA3も加わり、“呉越同舟”でこのプロジェクトを展開するネットワークを構築した。「全国の有力セレクトショップを回る中で、最初はどうして伊勢丹がこんな話を持ちかけてきたのか?と不思議がられることもあった(笑)。それでも最後は『ファッションの未来のために一緒にやりましょう』との思いに賛同してもらった」(神谷氏)。

 さらに、強力な“サポーター”の後押しもあった。「リーバイス® 501®」の商標権を持つ本家・リーバイスだ。神谷氏がリーバイ・ストラウス ジャパンを訪ね、商標の使用についての相談をしたところ、米サンフランシスコの本社がプロジェクトの意義に理解を示し、前例のない特別な使用許可が下りたのである。

 こうして「501®」という永遠のファッションアイコンが共通言語となり、素材・作り手・売り手の三者を結びつけるアップサイクルプロジェクトが完成した。

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