順風満帆から一転、倒産の危機へ ブロンコビリーが窮地から抜け出したきっかけは「お客さまの声」
ブロンコビリーにしかない価値を磨く

失意のどん底の中で、たまたまつけていたラジオの声にはっとさせられた。
「番組では『今年なくなって腹が立つことランキング』という企画をやっていたのです。その第2位にランクインされていたのが『ブロンコビリーのサラダバー』でした」(竹市さん)。
「なんだか感動してしまってね。温かい風に吹かれたような気持ちになった。同時にお客さまの期待にお応えしなければいけないという熱い思いがこみ上げてきました」。
この経験を通して、「ブロンコビリーの得意なことをやろう、好きなことをやろう、高い評価をして頂けることをやろう」という考えの軸が定まり、覚悟が決まった。それからは、お客に価値を感じてもらえる「ご馳走レストラン」として、世界中から食材を求めて集め、日本中から旬の食材を探し、店舗では手間隙かけておいしい料理や気持ちの良いサービス、清潔で楽しい店づくりに徹底的にこだわった。
04年から、再びオープンキッチンによる「炭焼き」「大かまど(で炊くご飯)」「サラダバー」の導入改装を開始し、05年4月には全店舗のリモデルを終えた。その後のブロンコビリーは、上記3つの武器を差別化要素として、さらに磨きこんだ。07年にジャスダック、2011年に東証・名証二部に上場し、2012年には東証・名証一部に上場。21年12月末時点で130店舗を展開するまでに成長した。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2025/05/06
競争に勝つためには、まずは敵を知ること -
2025/01/16
成功を超える喜び!経営者が見つけた「人材育成」の本質とは -
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは
この連載の一覧はこちら [1801記事]
関連記事ランキング
- 2022-12-19プレナスが創業家によるTOBで上場廃止へ! 今後の上場オーナー企業の在り方を考察
- 2025-11-18ワタミ、26年3月期中間決算を発表 通期で増収増益の着地を見込む
- 2023-08-03ロイヤルホストがコロナ前よりも売上水準が上がっている複数の理由とは
- 2021-10-18焼肉のファストフード化戦略とは?一人焼肉推奨店「焼肉ライク」躍進の秘訣を有村壮央社長に聞く
- 2022-12-142席の予約確保に40万円?飲食業界震撼の新サービス「食オク」とは
- 2023-04-07好調の「バーガーキング」社長インタビュー 28年末までに店舗数を3倍弱に増やす計画を語る
- 2020-10-02サイゼリヤでアルバイトした星付きシェフが心底驚いた徹底「カイゼン」の凄み
- 2023-02-28ゼンショーがロッテリアを買収へ! 買収側と売却側、それぞれの思惑は
- 2024-07-04コロナが明けても安心できない外食大手の経営環境と深刻な課題
- 2024-09-27丸亀製麺がはなまるうどんに大きく差をつけた「逆張り戦略」とは





前の記事