イズミ 第1次中期経営計画スタート
イズミ(広島県/山西泰明社長)は、2019年2月期第2四半期決算を発表した。
連結の営業収益は3586億2600万円(対前期比0.3%減)、営業利益は167億8800万円(同1.8%減)、経常利益は168億3300万円(同0.9%減)、四半期純利益は107億8600万円(同5.1%減)の減収減益となった。なお、単体の既存店舗は同0.6%減だった。
「7月から10月にかけて天災がこんな頻度でやってくるというのは想定外だった。食品の既存店売上高は同0.9%増とそれほど影響を受けなかったが、衣料品(同3.5%減)と住居関連(同0.2%減)と不調だった。また、人手不足でパートナー社員さんをしっかり採用することができなかった」と山西社長は振り返った。
イズミは、2018年度を初年度とする第1次中期経営計画のスタートに当たって、大きく4つの施策を進めた。
1つめは、「店舗網の拡大」である。期初時点では「3年間で40店舗」を掲げたが、建築コストの高騰を鑑み、下記表のように若干修正を加えている。
M&A(合併・買収)にはさらに積極的な姿勢を見せる。2018年度は、西友(東京都)から営業譲渡された、大型店舗を「ゆめタウン下松」(山口県)、「ゆめタウン姫路」(兵庫県)としてリニューアルオープン。次年度もイトーヨーカ堂から譲り受けた大型店舗を「ゆめタウン福山」(広島県)として再開業する。
「中国、四国、九州でよい案件があれば進めていきたい。また、兵庫県西部の姫路市にも出店することになったので、まずは当社の丹波エリアの店舗とのドミナント効果を考えたい」(山西社長)。
2つめは、「セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、7&アイ)との業務提携の促進」だ。
7&アイとは、電子マネーの相互開放やATMを含む店舗内への相互出店、資材などの共同調達、プライベートブランド商品の取り扱いなどで進行中だ。
傘下の事業会社のイトーヨーカ堂とは、前述どおり、イトーヨーカドー福山店の引き継ぎを終え、仕入れ統合や輸入品・地域産品などの共同調達について協議に入っている。また、第2次中期経営計画内では、西日本地域で両社による店舗の共同運営や共同出店も検討していく。
3つめは「マート業態の収益力改善」である。
2010年度以降、新店で実施した実験の成果が現れてきており、今後はイズミの「総合力」を活かすかたちで食品スーパー(SM)+ドラッグストア、SM+アパレル、SM+テナントなどのフォーマットを模索。営業利益率3~5%の高収益SMをめざす。
SMは資本生産性の改善に取組み、延べ床面積に対する売場面積最大化に努める。人時生産性の改善では、従業員の多能工化などローコストオペレーション体制の確立を図る。
4つめは「デジタル化」の推進だ。
新しい組織である「未来創造推進本部」を立ち上げ、将来あるべき小売業の姿を再定義する。また、販売促進、顧客サービス、生産性改善、情報システムの課題を一気通貫にデジタル化し経営課題の解決に取り組む。
デジタル化によるトップラインの成長とコスト・生産性改善の対象は下記の通りだ。
●トップラインの改善
EC(Eコマース)、販促基盤、フードコートオーダーシステム、優良顧客ポイントシステム、ゆめカートなど
●コスト・生産性改善
需要予測型自動発注、単品在庫可視化、売れ筋・死に筋商品の自動移管、AI棚割りなど
こうした取組みを着々と進めることで、同社は2020年度の営業収益9000億円(2022年度に1兆円)、売上高営業利益率6%を達成させる。
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