ファミリーマート、「涙目シール」を全国展開 食品ロス削減に向けた新たな取り組み
ファミリーマートは12月25日、店舗で発生する食品ロス削減を目的に、おむすびや弁当など中食商品の値下げシールのデザインを変更し、2025年春から全国展開することを発表した。
新デザインには涙目の表情をしたおむすびのキャラクターと「たすけてください」というメッセージが描かれており、消費者の感情に訴える行動心理学的なアプローチを採用している。
東京都と神奈川県の一部店舗で10月30日から4週間実施された実証実験では、値下げ商品の購入率が5ポイント向上した。実証実験中には、「涙目で思わず助けたくなるイラストだったので手に取った」「食品ロス削減に関心があるので賛同して購入した」などの声が寄せられ、消費者行動に変化が見られた。この結果を受け、全国展開を決定。これにより年間約3,000トンの食品ロス削減が見込まれている。
ファミリーマートは、「ファミマecoビジョン2050」に基づき、食品ロス削減に向けたさまざまな取り組みを行っている。これまでには、商品包装の改良によるロングライフ化、発注精度の向上、消費期限が近い商品の購入を促す「てまえどり」の推進、おむすびや弁当などの中食商品を対象とした値下げ販売「ファミマのエコ割」の導入などが挙げられる。これらの取り組みにより、2023年度には食品ロスを2018年度比で28.9%削減し、計画値の26.3%を上回る成果を達成した。
同社は「2030年に食品ロス50%削減、2050年に80%削減」という目標を掲げており、今後も引き続き食品ロス削減に向けた新たな取り組みを推進していく方針である。