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中国アリババ、通販部門トップ交代=PDDの追い上げに危機感

(i-stock/Robert Way)

 【上海時事】中国電子商取引大手アリババ集団(浙江省杭州市)は20日、国内通販サービス部門の淘天集団のトップを交代させる人事を発表した。20年以上の勤務歴を持つ戴珊氏の代わりに、グループの最高経営責任者(CEO)である呉泳銘氏がショッピングサイト「天猫」「淘宝網」の運営を担う淘天集団のCEOを兼務する。

 アリババは低価格商品を強みとする新興の「※多多(PDD)」が急成長を遂げる中で、危機感を強めている。グループ会長の蔡崇信氏は「新しい時代には新しい戦略と組織変革で自らを変えることが必要だ」とのコメントを発表した。

 戴氏はアリババの創業メンバーの1人で、今後は設立予定の資産管理会社の業務に携わる予定。新会社はアリババの非コア資産の管理に焦点を当てるという。蔡氏は資本収益率を最適化し、株主価値を高めるため、グループが資産管理会社の設立を承認しており、戴氏が設立準備チームの立ち上げに参加すると説明した。

 PDDとその海外部門「Temu」は劇的な成功を見せ、アリババから市場シェアを奪っている。PDDの株価は今年に入って77%急騰し、時価総額で11月末にアリババを逆転し、電子商取引業界を動揺させた。アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏は社内フォーラムでPDDの成長ぶりを称賛するとともに、アリババに抜本的な変革の必要があるとの認識を示していた。